カキ「太秋」の袋掛けによる汚損果軽減技術

~外観美麗な果実をつくり、高単価販売につなげましょう~

はじめに

カキ「太秋」(写真1)は350~450g程度の大玉で、果汁を非常に多く含み甘味が強く、サクサクとした食感で食味が優れ、消費者に人気が高い果実です。県内では、上益城地域を始め、導入が進み、現在、栽培面積122a、生産量431t(平成29年産熊本県果樹振興実績書)と全国一位となっています。しかし、「太秋」には、生産上の欠点があります。その一つが汚損果の発生です。

写真1 「太秋」果実

汚損果とは

「太秋」は、果皮に発生する「条紋」(ヒビ)が多い品種です。条紋は、9月上旬頃から発生しますが、雨で濡れた状態が長く続くと、そこに雑菌が繁殖し、果皮が黒変し、汚損果(写真2)となります。そこで、汚損果を軽減する技術対策として、「袋掛け」を行います。

写真2 「太秋」に発生した汚損果

袋掛けの注意点

袋掛けを実施する時期は、7月下旬~8月中旬(開花後100~110日後)です。袋掛けの時期が遅くなるほど果実と枝の隙間が少なくなり、被せにくくなります。また、袋の開口部を隙間なくきっちり閉めないと(写真3)汚損軽減効果が劣るため、きっちりと閉じます。

写真3 開口部が閉まっていない例

効率的な袋掛け方法について

袋掛けの方法は、大きく分けて、袋についているハリガネを巻きつける「巻付方式」と「折込方式」の2種類がありますが、今回は効率的にかけられる「折込方式」を紹介します(写真4)。この方法は、巻付方式に比べて、1袋当たり約13秒短縮でき、10aで約6千果かけた場合、およそ3日間の短縮が図れます。

写真4 袋掛けの手順
手順1.袋掛け 右側をA、左側をBとします(ハリガネを外さない)
手順2.袋の開口部を膨らませ、下部を押して袋内を広げる。
右側をA、左側をBとする(針金を外さない)
手順3.袋掛け A、Bをまとめる(写真ではAのみ)
手順4.袋掛け B(ハリガネがある方)を手前に持ってきて交差させます
手順5.袋掛け Aを手前に折ります
手順6.袋掛け Bを手前に折り、Aに重ねます

おわりに

汚損果軽減対策も重要な作業ですが、収穫まで病害虫防除等適切な管理を行うことも重要です。
高品質な果実を生産し、高単価販売につなげましょう。