夏秋黄色ギク新品種の特性と今後の産地づくりについて

~脇芽の少ない新品種を用いたキク産地づくり~

はじめに

7月盆から9月の彼岸にかけて出荷する夏秋黄色ギクは、年末電照ギクと併せて重要な品目であり、作型です。
しかし、夏秋黄色ギクは高温期に芽摘みが必要なことから、疲労が激しく、芽摘み労力の削減が課題となっています。これまでも、様々な脇芽の少ない品種が導入されてきましたが、商品性が低く、定着できていませんでした。
そこで、鹿本地域では、平成26年度から脇芽が少なく、商品化率が高い新品種として、「精の光彩」「晃花の宝」を導入し、生産安定のための現地実証に積極的に取り組んできました。
その結果、「精の光彩」(写真1)と「晃花の宝」(写真2)は労力削減と商品化率向上の効果が高いことがわかり、新品種の栽培が増加しています (表1)。今回は、新品種の特性と鹿本地域の今後の産地づくりについてについて紹介します。

写真1 精の光彩
写真2 晃花の宝
表1 栽培面積の推移(単位:a)

品種の特性

「精の光彩」

脇芽が少なく、商品化率は80%以上(表2、表3)ですが、7月~8月に出荷するためには、生育初期には電照、その後、開花の50日前から12時間程度のシェード(暗黒化)が必要ですが、シェードにより高温でも開花遅延が起こりにくい品種です(作型表参照)。

H29 展示ほ結果から

「晃花の宝」

脇芽が少なく、商品化率は80%以上(表2、表3)で、シェードも必要なく栽培できる品種です。8月盆出荷では、高温によって開花が遅延することがあるので、長期予報を参考に消灯日を決定する必要があります。(作型表参照)

H29 展示ほ結果から

今後の産地づくりについて

市場評価と日持ち調査結果

これまで「精の光彩」「晃花の宝」生産安定に取り組んできましたが地域へ更なる普及定着を図るためには、市場や一般生花店並びに花束加工業者等の実需者ニーズやキクの消費動向を踏まえることが必要なことから、平成29年8月に東京の(株)FAJ、(株)世田谷花き市場、(株)オークネットの3花市場並びに生花店や花束加工業者を農業技術課並びに鹿本地域と球磨地域の普及組織並びにJAと市場調査研修を行いました。得られた結果は以下のとおりです。

1.市場評価
「精の光彩」
一般生花店の評価も高く、小売り、量販ともに対応できる品種として高い評価でした。
「晃花の宝」
一般生花店の意見では、従来のと比較すると花首が長い、、花がやや小さい、花の開き方が早いなどの指摘がありました。量販店を中心とした物日(7月と8月の盆、9月彼岸)販売に向く品種との評価が大勢でした。

2.日持ち調査結果
いずれの品種も2週間の日持ちについては問題ない状況でした。

今後の取組みについて

販売の形態が変化し、一般生花店が減り、量販店が増えていく中、前述の市場評価を踏まえ、今後は産地としてどちらをターゲットにした産地化を進めていくかにより、品種の選択する必要があります。
そういう状況の中で、今後、鹿本地域では、シェード施設があるところは積極的に「精の光彩」を推進する予定です。また、シェード施設がないところでは、「晃花の宝」を推進するとともに気象条件に応じた消灯時期の調整や花首長の改善に取組み、物日(8月盆、9月彼岸)の量販向け予約相対を照準にしっかり作りあげたいと思います。
※新品種の栽培管理マニュアルが平成30年3月に作成されます。詳しい栽培管理について。

2018年3月号
県北広域本部 鹿本地域振興局 農業普及・振興課