平成30年産かんきつの着果対策について

~品質向上と次年度産確保に向けて〜

はじめに

平成30年の着花予想は、温州みかんでは極早生で中~やや多、早生で中、中生で中からやや多、普通で多、不知火類では中となっています。
本年、着果過多の園地については、摘果を徹底し果実品質の向上を図るとともに、隔年結果是正のため、来年の結果母枝を確保する事がポイントとなります。
着花量が少ない園地については、生理落果の抑制による果実確保がポイントです。手直しせん定、新梢管理ジベレリン散布等の落果防止対策を実施しましょう。

温州みかんの管理

【着花が多い場合】 予備枝の設定

「青島温州」等を中心に着花が多く新梢の発生が少ない樹が多く見受けられます(写真1)。そのような樹では、翌年の結果母枝となる新梢を発生させるため、2~3年生枝に着いている枝梢と蕾(花)を除去し、予備枝(坊主枝)を作ります。また、冬季に準備していた予備枝に着花した場合、全ての蕾(花)を除去し、新梢を発生させましょう(写真2)。また、「青島温州」等の高糖系温州については、特に大玉果となりやすい5葉以上の有葉花の摘蕾を行うことで来年の結果母枝となります。

【着花が多い場合】 摘果

着果過多になると、小玉果が多くなるため、早期摘果による肥大促進が必要です。生理落果終了後の6月下旬頃から、なるべく早く樹冠内部・裾部の果実や群状着果部の摘果を行います。 摘果剤(ターム水溶剤等)の散布により、摘果の労力を軽減できますので、上手く活用しましょう。小玉や低品質となる内なり・裾なり果を中心に散布し、局部全摘果を行いましょう(表1、写真3)。散布時期は、満開10~40日(果径2㎝以下)で、昼温が25℃以上、夜温18℃以上となるような日に、摘果したい部位の葉と果実に散布します(昼温20℃以下での散布や散布直後の降雨は効果が低下します)。
極端に樹勢の低下した樹では旧葉の落葉を助長しますので散布を避けましょう。

写真1 着花(蕾)過多で新梢が少ない樹
写真2 着花(蕾)確認後の予備枝の作成
写真3 ターム水溶剤使用による摘果部位
表1 摘果剤(ターム水溶剤)の使用基準

【着花が少ない場合】 立枝等の手直しせん定

花に枝が覆い被さると、結実性が低下します。着花部位の日照確保のため、立枝や太い前年果梗枝・被さり枝等を中心に手直しせん定を行いましょう。

【着花が少ない場合】 新梢管理

春梢伸長による養分消費を抑え果実の生理落果を抑制するため、開花期前後に着果部位周辺から発生した強い春梢の芽かきを行います。また、この時期に自己摘心していない春梢は未展葉部で摘心しましょう。
なお、併せてジベレリン散布を行うことで落果防止効果が高まります。

中晩柑(不知火類中心)の管理

大果生産、減酸促進および樹勢維持を目的に、不知火類では生理落果がほぼ終了する6月下旬頃から7月上旬までに内なり・裾なり果、奇形果、小玉果を中心に早期摘果を行います。
ただし、樹勢の強い樹(幼木、「肥の豊」等)では摘果が強すぎると夏梢の多発生、秋梢の発生により光合成産物を消耗し、低糖など果実品質の低下を招きますので、摘果程度は樹勢をみながら調整しましょう。

温州・中晩柑共通

1.緑化対策

新梢停止後に窒素+マグネシウムの葉面散布を行い、緑化を促進しましょう(例:尿素500倍液に硫酸マグネシウム500倍を加え3~5日おき程度に3回程度散布)。また、春肥・花肥の肥効を高めるため、5~6月に晴天が7日以上続くようであればかん水を実施します。

2.開花前後の防除

開花期~生理落果期となる5~6月は、訪花性害虫や黒点病の防除期です。防除が不十分の場合、果皮への害虫加害痕や病斑により果実外観が損なわれます。また枯れ枝が発生している場合は見かけ次第除去しましょう。

2018年5月号
県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課