水稲新品種「くまさんの輝き」の栽培技術(第5回)

~中干しから収穫までの管理のポイント~

はじめに

第一回で紹介しましたように、「くまさんの輝き」の収量を確保しつつ、玄米を充実させてタンパク含量を低く抑えるには、㎡当たり籾数を3万粒程度となるように肥培管理することが重要です。
最終回の今回は「くまさんの輝き」の中干し~収穫までの水管理及び穂肥施用のポイント等をお伝えします。

後半の水管理

1.中干し

「くまさんの輝き」は穂数型の品種ですので、過剰分げつを抑えるような中干しをおこなうことがポイントとなります。分げつ最盛期頃から間断灌水とし、茎数が㎡当たり400本(株あたり22~25本)となったら本格的な中干しに入りましょう。(図1)

図1 水のかけひきの合理的方法(1例)

2.中干し後の水管理

中干しに入水する際は、一気に入水するのではなく、徐々に入水します。特に、中干しを強めにしたほ場では、一気の入水は逆効果です。その、穂ばらみ期(出穂前5日頃)までは間断灌水を基本に水管理を行い、適度に土壌が酸化状態となるようにしましょう。

3.出穂前後の水管理

穂ばらみ期開花期(出穂前5日頃~出穂後2日は、イネが最も水を欲しがる時期です。イネの体力消耗を防ぐため、出穂5日前~出穂5日後の間は深めの湛水にします。

4.穂揃い〜収穫までの水管理

穂揃い以降の高温は白未熟粒発生の原因となります。高温が予想される場合は、出穂後5~15日の間はかけ流しをすることで、ほ場内の気温を下げることが出来ます。
かけ流しが出来ない場合は、昼間深水・夜間落水管理で対応します。朝に入水し、気温が水温を下回り始める夕方に落水します。
その後は、根の活力を維持するため、収穫直前まで間断灌水を繰り返し、早期落水を避けることで、登熟歩合を向上させます。

適期穂肥

「くまさんの輝き」は「熊本県推奨うまい米基準」に基づいた栽培を行い、玄米のタンパク含有率が6.5%以下または7.0%以下の基準を満たす必要があります。窒素籾数の過剰を招き、タンパク含有率が増加し、食味低下に繋がるため、葉色や生育診断に基づき適期に適量を施用します。
なお、収量目標と収量構成要素の目安は表1のとおりです。

表1 収量目標と収量構成要素の目安

適期穂肥

具体的には、出穂20に窒素成分で3kg(葉色4.0程度の時)を施用します。ヒノヒカリと比べて出穂期が2日程度遅いので、穂肥施用時期は注意してください。
なお、肥効調節型肥料(一発肥料)を利用している場合は、極端に葉色が低下している場合を除き、穂肥は必要ありません。

写真1 出穂20日前の幼穂

収穫・乾燥・調整

適期収穫と適正な仕上水分、入念な調整で品質・食味向上を図りましょう。

1.収穫時期

籾の80~85%が黄化した時期が収穫適期です。

2.乾燥

収穫後は速やかに通風乾燥して下さい。張り込み直後は無火力通風し、やや低めの火力(40℃程度の設定)で、水分15%目標で仕上げることで、胴割れ粒の軽減と食味の向上を図ります。

3.調整

「くまさんの輝き」は千粒重はやや重いものの、粒厚は「ヒノヒカリ」とほぼ同等ため、従来の標準的な篩い目を用いて、入念に調整してください。

写真2 収穫期の状況

おわりに

「くまさんの輝き」は、県が「県民に支持される安心良食味型」として、県産米のブランド力を高めため育成した品種です。
ロゴマークとともに今後もご愛顧願います。

☆ロゴマークの意味
輝きを表す88個の星で構成。88という数字はお米を作る際にかかると言われている手間の数に由来し、その中の大きな星11個は、それぞれ熊本県の11地域を表しています。

 

2018年8月号
県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課