温州みかんの冬季せん定について

~適切な整枝・せん定で連年安定生産を目指しましょう~

はじめに

温州みかんでは、高品質な果実を毎年安定的に生産するためには、春季に花と新梢をバランスよく発生させることが重要です。そのためには、それぞれの品種・樹の状況にあったせん定を実施する必要があります。
極早生温州・早生温州については、昨年の着花量が並で、結果母枝量が平年より多いことから、平成30年産の着花予想量は、中程度からやや多いと予想されます。普通温州については、昨年の収穫量が少なく結果母枝量が多いことから、平成30年産の着花量は多いと予想されます。
普通温州(青島温州など)のように着花が多く表年と予想される今年の冬は、隔年結果是正のチャンスになります。そのような樹では、強めのせん定により着花を減らし、新梢の発生を促すことで、次年度の結果母枝を確保することができます。そのため、着花過多が予想される樹では、早期にせん定に取りかかり、隔年結果を是正しましょう。

縮・間伐の実施

連年安定生産や高品質果実生産のためには、まず適正な独立樹作りが大事になります。密植樹では良質な果実生産を行う横枝に光があたらず、立ち枝が増え、青果率が低下します。また、薬剤散布においても薬剤が細部まで行き渡らず、病害虫の発生を助長します。そのため、せん定を行う前に必要に応じ、縮・間伐を行いましょう。

樹相に合わせたせん定の実施

1.結果母枝の量が適正で、程よい着花が見込まれる樹

基本的には弱せん定を行いましょう。立ち枝や逆行枝を除去し、樹内部まで光が入り込むようにしましょう。

2.結果母枝の量が多く、着花が多く見込まれる樹

厳寒期を過ぎたらできるだけ早くせん定を行いましょう。せん定量は全体の2割程度を目安とし、切り返しせん定を主体とします。また、樹齢の2~3倍(べた花が予想されるものは3倍)予備枝を作成しましょう。予備枝を作成することで春梢の発生を促すことができます。

3.結果母枝の量が少なく、着花が少ないと見込まれる樹

冬季のせん定は混み枝の軽い間引きや果梗枝を除去する程度とし、発芽期以降、着花を確認した後、着花枝に対する被さり枝の除去等間引き主体のせん定を行いましょう。

普通温州の隔年結果是正対策

普通温州では、近年隔年結果が顕著になってきています。平成30年産は表年が予想される樹が多いことから、隔年結果是正のチャンスとなります。今回、対策をとらなければ2年後しかチャンスは巡ってきませんので、ぜひ対策に取り組んでください。

1.冬季せん定の考え方

隔年結果是正のためには裏年が予想される平成31年産の結果母枝を確保する必要があります。そのため、平成30年産では新梢発生を促し、着花量を減らすために、通常より早めに強めのせん定を行うことが重要になります。厳寒期終了後の2月の中旬頃からせん定を開始しましょう。
また、せん定時には予備枝を作成しましょう。果梗枝を利用した予備枝では、果梗枝を残して、周囲の枝梢をすべて取り除きましょう。このとき、上向きの太い果梗枝は利用しないでください(図1)。坊主枝予備枝では、2~3年生枝に着いている枝梢をすべて取り除きましょう(図2)。長さは基部径の12倍程度としてください。

図1 果梗枝を利用した予備枝
(果梗枝からは新梢が発生しやすい)
図2 冬季坊主枝予備枝の作成

2.発芽期以降の管理

発芽期以降、新梢が少ない場合は、再度予備枝を作成しましょう。4月中旬以降、蕾が見え始めた頃、できるだけ早めに作成します。坊主枝予備枝は2~3年枝に着いている枝梢と蕾をすべて除去します(写真1)。冬季に作成した予備枝に着花した場合、全ての蕾を除去します(図3)。また、葉数5枚以上の有葉花は摘蕾を行うことで次年度の優良な結果母枝となります(図4)。予備枝作成の際、土壌が乾燥している場合は灌水を行い、発芽を促進してください。
さらに、着花過多樹に対しては花肥の施用を行いましょう。4月中下旬頃に硫安等の速効性肥料(窒素成分で4kg/10a)を施用します。施用後、降雨がない場合は灌水を行ってください。

写真1 坊主枝の作成と新梢が発生する様子
図3 発芽期以降の坊主枝予備枝作成
図4 有葉花摘蕾について

2018年2月号
県央広域本部 農林部 農業普及・振興課