茶生産における異物混入対策について

〜信頼されるお茶づくりを目指して〜

はじめに

安全・安心な農産物が求められる現在、生産する側には異物混入等の事故を防ぐための細心の注意が求められています。
茶は収穫後、短時間で加工を行うため、混入した異物の除去が難しい作物です。
今一度、生産過程を振り返り、異物混入を防ぐ対策をとりましょう。

茶園でみられる異物混入例

茶は新芽を収穫するため、異物が混入するリスクは比較的低い作物ですが、次に記載するようなものが異物として混入する可能性があります。

 

○植物由来の異物
・雑草、竹(笹)、落ち葉

 

○鉱物由来の異物
・火山灰等

 

○人工物由来の異物
・被覆資材の破片
・劣化したピンチ(写真1)やポール類の破片

写真1 劣化し破損したピンチ

茶園での異物混入防止策

茶園での混入が考えられる異物については、できるだけ茶収穫前に除去しましょう。

植物由来の異物除去

雑草の中でも山芋等のカズラ類は茶樹に絡みつき、樹冠面まで出てきます。また、肥沃な土壌である茶園に竹(笹)は好んで侵入してきます。いずれの場合も、日ごろから定期的な除去を行い、発生の初期段階で食い止めることがカギとなります。
近くに竹やぶがある場合は、茶園に沿って明きょを掘ることで竹の侵入防止に役立てることができます。
落ち葉に関して量が多い場合は、摘採前にブロアー等で可能な限り取り除いてください。

鉱物由来の異物除去

近年、全国各地で火山活動が活発になっています。今後、県内でも噴火に伴う降灰の恐れがあります。収穫する生葉への降灰を確認した場合、収穫前の除灰を徹底しましょう。
専用の除灰機がメーカー各社から発売されていますが、無い場合は、ブロアーや防除機等を利用しての除灰を検討してください(写真2)。

 

○古葉の除灰(新芽生育前)
降灰が落ち着いたら、摘採面の火山灰をほうきやブロアー等で払い落とした後、防除機やスプリンクラーを使用し多量の水で洗い流します。防除機を使用する場合の水量は10a当たり1000リットル以上でしてください(作業前には防除機のタンク内に農薬が残っていないか十分に確認してください)。
摘採のための新芽が動き始める頃、まだ火山灰が越冬葉に付着している場合には、再度、防除機やスプリンクラーにより洗い落とします。

 

○摘採新芽の除灰
摘採直前の新芽は柔軟で傷つきやすいため除灰作業はブロアー等を用い注意して行います。大まかに灰を落とした後に、動力噴霧器、防除機またはスプリンクラーにより洗い落します。防除機を使用する場合の水量は10a当たり1000リットル散布を2回行います。防除機のタンク、ホース及び散水ノズルなどは十分に真水で洗浄を行った後に使用してください。スプリンクラーを使用する場合の水量は10a当たり30t以上(10時間以上)散水を行います。摘採機に設置するブラシ型除灰機で摘採生葉の除灰を行った後、洗浄を行うと除灰効果が高まります。
除灰効果が最も高いのは降雨を待つことです。20ミリ以上の降雨が期待される場合は、降雨後の摘採を検討してください。

写真2 防除機を使用した除灰作業

茶工場でみられる異物混入例

茶は製造過程で多くの機械を利用するため、製造由来の様々な異物が考えられます。

○製造機械由来の異物
・金属片、塗料片等

○茶製造かす
・古い茶かす、茶ぼこり等

○清掃用具由来の異物
・ほうきの穂先、ブラシの毛類

茶工場での異物混入防止策

金属片等

機械の部品類に異常がないか定期的な点検を心掛けてください。
磁石を用いた異物除去装置等の導入も有効的です。

古い茶かす、茶ぼこり等

茶かす、茶ほこりが溜まりやすい場所は特に念入りに清掃しましょう。
・垂直バケットの裏
・ベルトコンベアのローラー
・粗揉機揉み手の付け根、中揉機の揉み手バネ(写真3)
・冷却機等の掻き落としブラシ
なお、古くなった茶かす等が混入すると製品の水色が赤くなり品質を著しく損ないますので、注意が必要です。

写真3 揉み手のバネ

清掃用具

荒茶に混入する異物で最も多いのは清掃に使用する「ほうき」や「ブラシ」の破片(穂先)です。棕櫚(しゅろ)等の天然資材のものは、混入した際に取り除きにくいことから、最近では樹脂製の色のついたほうき(写真4)やブラシを用いることが増えています。いずれも定期的な点検を行い、劣化する前に交換するよう心掛けましょう。

写真4 樹脂製のほうき

2018年4月号
県北広域本部 農林水産部 農業普及・振興課