飼料用トウモロコシの栽培の留意点

~適期・適量は種と雑草防除で良質飼料を確保~

はじめに

夏作飼料作物を代表するトウモロコシは、4~11月に栽培され、都府県向け品種として約100品種が市販されています。
トウモロコシの二期作をされているところでは、すでには種を終えていることでしょう。イタリアンライグラスとの二毛作であれば、今から作付けが始まると思います。
ここでは、準備を含めた飼料用トウモロコシ栽培の留意点を説明します。

品種選定

品種は、は種作業や収穫調製作業が集中しないように、相対熟度(RM:収穫適期である黄熟期に達するおおよその日数を表し、早晩性の目安となる)を考慮して構成を考えましょう。また、二期作目の品種としては、RMが早いものを選ぶようにしましょう。

は種時期、栽植密度、は種量

安定多収栽培には、適期は種が大切です。早すぎると発芽不良や遅霜の心配があり、逆に遅すぎると病気の多発や未熟での収穫、台風による倒伏被害などの危険性が高まります。適期には種したトウモロコシは根張りが良く(かん)も太く育つため倒伏に強くなり、実入りも良く多収となります。カタログ等によりは種適期を確認してください。
また、栽植密度の目安を表1に示します。株間は16cm以上にすることを条件に、早生種はやや密植に、晩生種は広めにしましょう。密植にし過ぎて条間や株間が狭くなると、着雌穂高が高くなり稈が細くなるため、倒伏のリスクが増大し、また、雌穂が小さくなるため、※TDN収量が減収するといわれていは種量は、条間70~80㎝、株間18~20㎝程度で1粒ずつは種しますが(表2参照)、最適栽植本数を確保するため、病害虫、鳥害、は種作業ミスによる欠株を考慮して、10%程度多めにしましょう。

表1 早晩性と栽植密度
表2 株間、条間と栽植密度(本/10a)

雑草防除

雑草が繁茂すると、収穫量の減少や収穫物の品質不良につながります(写真1、2)。特に生育初期のトウモロコシは雑草との競合に弱いため雑草管理は重要です。
一般的な雑草防除として、除草剤が広く用いられ、処理方法には、土壌処理と茎葉処理があります。対象とする雑草の種類や使用時期を考慮して除草剤を選定してください。なお、除草剤の混用は薬害が出やすいので注意が必要です。
土壌処理剤は、その効果を高めるために、は種後ローラーで鎮圧し、規定の薬量を規定の希釈量の水でうすめて全面にむらなく散布します。
土壌処理だけでは十分に防除できない雑草もあり、その特徴として、根などの栄養体で繁殖する(ワルナスビ等)、種子が大きい(オオブタクサ、オナモミ類等)、土壌処理剤の残効が消失してから急速に生長する(アレチウリ、オナモミ類等)という点があげられます。このような雑草に対しては、茎葉処理(雑草出芽後散布、写真3)を組み合わせると、雑草防除効果を高めることができます。
飼料畑には多くの帰化雑草が発生しますが、侵入した当初は発生密度が低く発生面積も小さいので、早期に防除して、拡大・まん延しないようにすることが大切です。

写真1 雑草が繫茂した飼料畑
写真2 雑草が繫茂した飼料畑
写真3 茎葉処理による雑草防除

その他

近年問題となっている鳥獣害対策としては、①ワイヤー柵や電気柵などの防護柵の設置(写真4)や、②ほ場と、鳥獣の侵入経路となる山などの間に放牧地を作ることなどで侵入を抑制することができます。

写真4 電気柵による獣害対策

最後に

良質な飼料生産には、優良品種の利用も重要となっています。熊本県では、「熊本県牧草・飼料作物奨励品種」を選定し、その一覧を県ホームページに掲載していますので、ご参考ください。
また、農家経営の向上と自給飼料の生産拡大を目的として、栽培技術などの情報提供や優良品種を紹介するため、農業研究センターに展示ほを設置し、4月中旬に秋まき飼料作物、7月中旬に春まき飼料作物の現地研修会を開催しています。今後の品種選定の参考に、ぜひご参加ください

※TDN…可消化養分総量のこと。飼料のエネルギー含量を示す。

2018年5月号
県北広域本部 鹿本地域振興局 農業普及・振興課