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Vitamin Table 〜第9回 いちごのおはなし〜

師走に入り、慌ただしい中にも華やぐ季節になりました。今月はルビーのような美しい赤色をした果物の宝石、いちごのおはなしです。

いちごの歴史…「枕の草子」に登場している!?

清少納言の「枕の草子」に、「あてなるもの(上品なもの)いみじううつくしきちごのいちご食ひたる…」というくだりがあります。
これはかわいい稚児がいちごを食べている様子を描写したもの。しかし、この時代のものは今のような栽培種ではなく「木いちご」のような野生種…稚児のかわいい口にぴったりな小さな野いちごだったのでしょう。

日本いちごのパイオニア「福羽いちご」

今から約100年前に、「メロンのおはなし」でもご紹介した福羽逸人博士がフランスから取り寄せた品種から実生選抜して育成した「福羽」が始まり…、日本で育成された初の品種です。1960年頃から関東で「ダナー」関西で「宝交早生」九州で「はるのか」が栽培され始め、次第に栽培法も確立、生産量も増えてきたそうですが、各地の品種育成には最初の「福羽」と交配されたものが多々あるとか…。世界に誇る「福羽」が日本いちごの原点です。

熊本県では…

1965年頃より品種「はるのか」の導入とともに産地化が図られ、1985年頃「とよのか」が普及拡大していったそうです。玉名、宇城、阿蘇、八代が主産地で、2013年の統計では、11,900トンで全国3位の生産高を誇ります。

圃場を訪問!

写真1 坂本直之さんの圃場

まず県内最大の作付面積の玉名地域、天水町の坂本直之さんの圃場へ…。就農して10数年栽培されている品種「さがほのか」のハウスに入ると、定植後の暑さに弱った株もあるものの深い緑色の葉が一面に広がっていました。有明海に面し土壌が潟(粘土質)でミネラル豊富、「子どもが食べても安全安心ないちごをつくり続けたい」と、噴霧するものも追肥するものにもこだわりをお持ちです。今年から本格的に導入された新品種「ゆうべに」のハウスへも。こちらは柔らかい黄緑色の葉、葉柄も長くなる品種なので畝の幅も広く、そして少し高めに作られていました。ほのかに色づいた実も発見…収穫期が楽しみです(写真2)。ほぼ同時に定植された小山さんの「ゆうべに」圃場も訪問、新品種についての試行錯誤やお互いのこだわりも伺いながら、バラ科らしい可憐な白い花を楽しませていただきました(写真3)。

写真2
写真3

そして一足先に出荷が始まろうとする阿蘇へ。「ゆうべに」を導入して2年目の山本さんの圃場に伺いました。寒さに備えた3重張りのハウス…。野草堆肥で土づくりをし、いちごの天敵ハダニをやっつける「チリカブリダニ」「ミヤコカブリダニ」そしてアブラムシの天敵「コレマンアブラハチ」を使い、その住処になる藁を束ねて畝のすきまに敷く等、美味しいいちごをより美しくつくる工夫と技の数々をお話しくださいました(写真4・5)。

写真4 山本さんの圃場
写真5

県内で栽培されている主な品種とその特徴って?

ひのしずく…酸味が少なく糖度が高い。
さがほのか…酸っぱさがなく、すっきりした甘さ。
紅ほっぺ…適度な酸味、糖度が高い。
ゆうべに…甘みと酸味のバランス良さと爽やかな香り。

美容に健康にいちごパワーを!

ビタミンCがたっぷり。なんと100g中に62㎎ものビタミンCが含まれています。中サイズ10粒食べると成人の一日の目標摂取量を摂れるほどです。新陳代謝を高めるビタミンCは、シミ・ソバカス・肌荒れなど肌のトラブルに力を発揮。ウイルスや細菌に対する免疫機能をアップし、風邪やガンを予防する効果も!
また、健全な発育や貧血予防、認知症予防に働く葉酸が豊富なのもいちごの特徴、さらには食物繊維も豊富なのです。

おいしいいちごの選び方

「色」「ツヤ」「香り」。ヘタが濃い緑色で実は全体に鮮やかな紅色で艶やかなもの、そして香リの強いものを。果肉にハリがあって粒の大きいものほどおいしいです。

 

おいしいいちごをよりおいしく!

ざっと洗ってヘタをとり、ぱくっと!ヘタ側より先端が甘みが強いのでヘタ側→先端の順で食べるとよりおいしさを味わえますよ。

いかがでしたか、いちごのおはなし。見た目もキュート!美容に健康に、栄養素がぎゅっと詰まっているのですね。
くまもとの赤いパワー「いちご」のチカラで寒い季節を元気に過ごしましょう。

ぱぱっと簡単レシピ

ベビーリーフ~イチゴドレッシング~

<作り方>
⑴ベビーリーフはさっと洗って水を切る。
⑵イチゴ(5粒)は4つ割りにしてボウルに入れてフォークで粗くつぶしオリーブオイル大さじ2と白ワインビネガー小さじ2、塩ひとつまみを加えてよく混ぜ合わせる。
⑶お皿に⑴をふんわり盛りつけ、⑵を小さな器に入れて添える。

 

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持田 成子Shigeko Mochida

野菜ソムリエ上級プロ
女子栄養大学生涯学習講師

女子栄養大学在学中に「野菜のビタミン分析」に携わったことがきっかけで野菜ソムリエ資格を取得。「旬の野菜果物のチカラはココロとカラダを元気にする」をテーマに食育やセミナー、レシピ開発など食の周りで活動中。

野菜ソムリエとは

日本野菜ソムリエ協会が認定する資格。野菜・果物の知識を活かし自らの生活に活かす「野菜ソムリエ」、野菜・果物の専門家「野菜ソムリエプロ」、専門家の最上位資格「野菜ソムリエ上級プロ」と、3段階の資格がある。

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