プロフィール
〇家族構成 本人、夫、父
〇経営内容
<生産部門>生食用ブドウ140a、加工用ブドウ20a、太秋柿50a、イチゴ6a(観光農園)他。
<加工部門>コンフィチュール、ドライフルーツ、バターサンドを自社加工、ワイン、ジュースを委託加工、カフェ経営(農園内)。
令和元年に、夫の幸宏さんと株式会社石井フルーツを設立し、ミドリさんは取締役として経営に参画されています。
Introduction of farmers
生食用ブドウ、加工用ブドウ、太秋柿、イチゴ(観光農園)他
プロフィール
〇家族構成 本人、夫、父
〇経営内容
<生産部門>生食用ブドウ140a、加工用ブドウ20a、太秋柿50a、イチゴ6a(観光農園)他。
<加工部門>コンフィチュール、ドライフルーツ、バターサンドを自社加工、ワイン、ジュースを委託加工、カフェ経営(農園内)。
令和元年に、夫の幸宏さんと株式会社石井フルーツを設立し、ミドリさんは取締役として経営に参画されています。
城南I.Cから県道32号線を豊野町方面へ車で約5分走ると、梨園やブドウ畑が広がる田園風景が目に入ってきます。この地域は、果樹園としての土壌に恵まれ、古くから梨栽培が行われ、1980年代頃から安見梨や安見ブドウの産地として知られるようになりました。石井果樹園(現:株式会社石井フルーツ)は、この豊かな土地で、90年以上も前から梨を中心とした果樹栽培に取り組んで来られました。
ミドリさんが嫁いだ頃は、梨と小面積のブドウ(巨峰、マスカットベリーA等)を主体に経営をされておりましたが、温暖化による大型台風の襲来など気象災害が多くて、毎年苦労されていたそうです。
そのような中、巨峰を皮切りに数種類のブドウをトンネルハウスで栽培し、平成11年には連棟ハウスを新設して、県内でもいち早く瀬戸ジャイアンツやシャインマスカットを導入されました。さらに渋柿から太秋柿へ転換し、平成26年には梨栽培をやめ、ワイン用のブドウ栽培を始められました。
ミドリさんが最初に手掛けた加工は、梨のどエキスや手もみ干し柿『琥珀の滴』です。この商品は、青果物と共に、県内有名デパートの通信販売で取り扱われました。その後、栽培品種が増えるとともに、ミドリさんの加工への関心に拍車がかかり、季節の農園コンフィチュールを自社加工し、オリジナルワイン(委託加工)とのセット販売に取り組まれました。時には、お客様からのオーダーに応じたオリジナルブレンドのコンフィチュールを作る事もあるそうです。
また、カフェコーナーを新設し、期間限定のランチを提供し好評を得ていましたが、現在はコロナ禍を考慮してランチメニューを見合わせ、季節の果物たっぷりのフルーツパフェやデザートプレートなどの限定メニューとなっており、大人気です。令和2年から2~3月限定で観光いちご園も始められました。
育児期は子供の用事が度々あるため、地域の若い女性が働きやすいよう、勤務時間を時間単位で柔軟に取得できるようにし、タイムカードを導入されています。ミドリさんは、「勤務予定を毎月個人ごとに把握し、全体調整を行うなどの労務管理は大変ですが、農作業をはじめ、加工やイラストなどの特技を持った人材の方が来てくださいます。」とメリットも大きいようです。
今年は、大粒シャインマスカットレーズンを使ったバターサンド『シャイニーサンド』を、熊本市内の洋菓子専門店の監修により自社製造で商品化されました。また、美里町の和紅茶生産者とコラボした『ドライフルーツティー』を新発売し、好評を得ています。これらの商品づくりにも若い人材の感性や技術を生かされています。
農村の素敵な空間とこだわり農産物や加工品を提供されている石井さんご夫妻の取り組みは、魅力的な6次産業化の先進事例として注目が高まり、農業者の視察も増えてきました。また、新規就農者の研修も受け入れられています。
石井ご夫妻は、お互いの想いを尊重し合い、役割分担をしながら独自の経営スタイルを育んで来られました。顧客を大切にされるミドリさんの更なる夢の実現に向けた挑戦がまだまだ続きます。
(紹介:県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課)