ドローン防除における気温および散布粒径が薬剤成分の落下に及ぼす影響

アグリシステム総合研究所生産情報システム研究室

1 研究のねらい

農薬散布用ドローンは無人ヘリと比較して、低価格で高度な操縦技術を必要としないため、土地利用型作物を中心に急速に普及しています。高温条件下でのドローン防除の際に、農薬液剤の落下分散精度を高めるため散布粒径を大きくする事例が見られますが、ドローンでの農薬散布特性に関する詳細なデータはほとんどありません。そこで、本研究では気温と散布粒径の違いが農薬液剤の落下状況に及ぼす影響を明らかにしたので紹介します。

2 成果

(1)ドローンによる農薬液剤散布では、散布粒径が小さいノズル(粒径136177μm)で散布すると、大きいノズル(粒径218349μm)での散布に比べて、地表付近に設置したろ紙に付着する薬剤成分量が減少します。特に、30℃以上の高温条件下では、付着量の減少程度が大きくなります(写真1、表1)。

 

写真1 散布機体及びろ紙設置位置

(2)散布幅4m×4行程(幅16m、2往復)を想定して、薬剤付着状況をシミュレーションした場合、ほ場内に落下する薬剤成分量は、30℃以上では粒径小ノズルは粒径大ノズルに比べて6~8割に減少します(図1)。

図1 ドローンで2往復したときの薬剤成分落下量のシミュレーション(32℃)

3 留意点

(1)散布試験は平均風速3m/s以下で散布に影響の少ない条件で実施しました。
(2)散布機体はciRobotics社製のドローンciDrone AG R-17(4ロータ、タンク容量17L、3噴口、散布圧0.1MPaGNSSおよびマッピングによる自動航行)を用いて散布しました。

No.1035(令和5年(2023年)6月)分類コード 06-18
ドローン防除における気温および散布粒径が薬剤成分の落下に及ぼす影響

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