3.増収栽培の場合、120cm以上のいぐさの100本重が、慣行栽培より軽い傾向にありました。また、300本製織長も短い傾向にあったため、増収栽培は「涼風」の充実程度を低下させると考えられました。(図3、一部データ省略)
以上のことから、畳表の品質向上を図る上では、耕種基準を守ることが重要と考えられます。
Experimental study
農業研究センターアグリシステム総合研究所いぐさ研究室
一部のいぐさ生産者の方は、「涼風」の増収を目的として、追肥、先刈を耕種基準より早く行っているように見受けられます。しかしこのような早進化等の肥培管理が、「涼風」の収量、品質にどのような影響を及ぼすのか明らかになっていません。
そこで「涼風」について、表のとおり①県耕種基準に従った慣行水準、②増収が想定される水準で栽培試験、調査を行い、どのような影響を及ぼすのかを明らかにしました。
1.良質な畳表の製織に求められる120cm以上のいぐさの収量は、追肥を収穫77日前(耕種基準より7日早い)に開始すること、先刈を収穫70日前(耕種基準より10日早い)に行うことで、明らかに増加しました。(図1)
2.各試験区の畳表を、先枯、元白、品位で評価したところ、追肥を収穫77日前に開始することは、収穫70日前に開始した場合と比較して、全てにおいて評価が低い傾向にあり、105~120cmのいぐさで、その傾向は顕著でした。一方、先刈時期、先刈高さの明確な影響は確認できませんでした。(図2、一部データ省略)
3.増収栽培の場合、120cm以上のいぐさの100本重が、慣行栽培より軽い傾向にありました。また、300本製織長も短い傾向にあったため、増収栽培は「涼風」の充実程度を低下させると考えられました。(図3、一部データ省略)
以上のことから、畳表の品質向上を図る上では、耕種基準を守ることが重要と考えられます。
1.本試験は、「涼風」の栽培適期(11月中旬移植、翌年6月下旬収穫)に、アグリシステム総合研究所で実施し、肥培管理3要因×2水準の8区を3反復し、3か年(平成30年産~令和2年産)同じ試験を行い、結果を取りまとめました。ただし施肥量は、全ての試験区で同量としました。(基肥量:N6kg/10a、追肥量:N38kg/10a)畳表製織における加湿方法は噴霧とし、加湿量はいぐさ重量の12%としました。120cm以上の100本重、300本製織長は、平成30年産のみの結果です。
いぐさ乾燥作業の効率化には、サーモグラフィとルーバーの併用が効果的である
除菌剤の拭取りは、畳表の色の変化や摩耗強度に影響を及ぼさない
乾燥機背板の可動式への改良で、無染土乾燥時のいぐさの湾曲を軽減
簡易減圧染色装置を利用することで無染土「涼風」を天然染料で染色できる
(No.873(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 05-07)いぐさポット苗株分け時の新芽等への損傷は苗の生育にほとんど影響を及ぼさない
(No.874(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-07)畳表のカビの発生しやすさはいぐさ品種間で異なる
(No.831(平成 30 年 5 月)分類コード 05-07)「涼風」の畳表色調を保持しながら染土使用量を低減する泥染め技術
(No.830(平成 30 年 5 月)分類コード 05-07)いぐさの機能性を活用する産業素材用いぐさの栽培収穫体系
(No.788(平成 29 年 5 月)分類コード 02-07)イグサ品種「涼風」のDNA識別が容易になる識別マーカーの改良
(No.774(平成29年5月)分類コード12-07)いぐさ品種「涼風」の畳表製織時の適正加湿量
(No.745(平成28年5月)分類コード05-07)可搬式茶摘採機のいぐさ先刈り作業への応用
(No.746(平成28年5月)分類コード06-0)