イチゴ「ゆうべに」における棚もち期間の品質が保持される保冷条件
アグリシステム総合研究所野菜栽培研究室
1 研究のねらい
イチゴ「ゆうべに」では、暖冬や春期の高温下において出荷後の果実の傷みが問題となることありますが、収穫後から棚もちまでの最適な保冷温度は明らかになっていません。また、物流業界の働き方改革に伴い、トラック輸送における輸送期間の長期化が懸念されています。
そこで、イチゴ「ゆうべに」について、収穫後から関東までの輸送を想定し、棚もち期間の品質が保持される保冷条件を明らかにしましたので紹介します。
2 成果
(1)収穫時の果皮硬度は着色が進むほど低下し、9分着色では12月に比べて3月の果皮硬度が低くなります。
(2)着色は保冷温度が高いほど早く進み、収穫時の品温が高い3月の着色はより早くなります(表1)。
(3)棚もち後の品質を総合的に評価すると、保冷温度5℃では収穫時期に関わらず8日間品質を保持でき、10℃では8日間の保冷でガクの萎れが発生し品質が低下します(表1、写真1)。
3 留意点
(1)供試サンプルは、収穫後直ちに平パックに詰めてフィルム包装し、5℃または10℃で4日間および8日間保冷しました。保冷後は、15℃で3日間保存(棚もち)しました。
(2)着色程度は、「促成いちご「ゆうべに」土耕栽培管理指針(改訂版)」の着色の目安に準じました。
No.1038(令和5年(2023年)6月)分類コード02-04
イチゴ「ゆうべに」における棚もち期間の品質が保持される保冷条件
イチゴ
イチゴ「ゆうべに」の頂花房と第1次腋花房の花房間葉数は4枚程度が収量が安定する
イチゴ「ゆうべに」は中間地において9月18日から9月21日を目安に定植する
イチゴ「ゆうべに」は平坦地において9月21日を目安に定植する
イチゴ品種「ゆうべに」の1~2月における炭酸ガスの施用効果
イチゴ「ゆうべに」における各種LEDの電照効果
イチゴ育苗期に遮光資材として赤外線カット資材を利用すると年内生産力が向上する
(No.853(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)イチゴ「ゆうべに」の畝連続栽培は、2kg10a以下の基肥窒素量で収量・品質が安定する
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(No.799(平成 29 年 5 月)分類コード 02-04)