ヒゴムラサキ

研究のねらい

「肥後の赤ナス」の名称で親しまれている在来の「熊本長ナス」は、果皮色が赤紫色で、肉質が軟らかく食味が優れており根強い人気がありましたが、農家が個々に採種を行ってきたため果形や果皮色がばらつき、品質が低下していました。
そこで、農業研究センターの保存系統の一つ「熊本中長3」をもとに、果径が太く、草勢がやや弱いタイプの「熊本L4−4」(母親)を分離固定、平成5年に県内産地で収集した「熊本長ナス」の系統から果径が細く、草勢は強い系統の「No.60」(父親)を選抜しました。
この両系統を交配することにより新品種「ヒゴムラサキ」が誕生。「ヒゴムラサキ」の果実は両系統の中間的な形質になっており、果皮色、肉質、食味等については両方の優れた性質を持っています。

特性

交雑品種であり、これまでの「熊本長ナス」よりも生育が早く、品質が安定し果形や果皮色のばらつきが少なくなっています。
果皮色は赤紫色で、果形は太くボリューム感があります。
果肉が軟らかく、食味に優れる形質が維持されているため、焼なす、煮なすとしての利用が最適です。