平坦地域冬春キャベツの根こぶ病は「発病リスク診断に基づく防除マニュアル」で被害を抑制できる

生産環境研究所病害虫研究室

1 研究のねらい

根こぶ病は土壌病害のため、発病してから防除しても手遅れで、作付け前の防除が重要です。そこで、ほ場ごとに発病リスクにあった適切な防除を実施するため、作付け前の発病リスク診断に基づく防除対策を確立しましたのでご紹介します。

2 成果

(1)作付け前にほ場の発病リスクを診断し、発病リスクごとに防除対策を設定した防除マニュアルを作成しました。

(2)この防除マニュアルは、①発病リスク診断、②発病リスクの評価、③発病リスクに応じた防除対策の選定からなり、発病リスクレベルを3段階で評価し、レベルに対応した防除対策を行います。

(3)20172021年産冬春キャベツ272地点のほ場の発病リスク、実施された対策及びその後の発病状況のデータを用いて防除マニュアルの精度を検証した結果、97%以上のほ場で適切な防除対策であったことを示したことから、防除マニュアルの精度が高いことが分かりました。

3 留意点

(1)本技術の対象作型は平坦地域の水田地帯で910月に定植する冬春作です。
(2)発病リスク診断はキャベツ作付け前(施肥、ほ場薬剤処理前)に行いますが、水田裏作では水稲栽培前に行うこともできます。

 

No.748(令和5年(2023年)6月)分類コード 04-04
5.1.新技術_生産環境_平坦地域冬春キャベツの根こぶ病は「発病リスク診断に基づく防除マニュアル」で被害を抑制できる(PDFファイル)