湿地性カラー「熊本FC01」の採花本数は周長8.5cm以上の仮軸を増やすことで増える

農業研究センター農産園芸研究所花き研究室

研究のねらい

本県は湿地性カラー切り花の生産全国2位の産地で、安定生産が求められています。今回は、採花本数の向上要因を明らかにしましたのでご紹介します。

研究の成果

1.【仮軸について】試験栽培終了時の仮軸周長ごとの花芽分化率は、周長5.5cm以上の仮軸で高く、採花率は周長8.5cm以上の仮軸で高く、どちらも気温の影響は小さいことが分かりました(図1、表1)。

図1 株と仮軸および仮軸の周長

2.【仮軸について】2週間で展開する葉の枚数に及ぼす気温(30℃~18℃)の影響は小さいこと、また、仮軸あたり総展開葉数および採花本数に及ぼす気温(26℃~18℃)の影響は小さいことが分かりました(表2)。

3.【株について】株あたり採花本数は、周長8.5cm以上の仮軸が多い株ほど多いです(図2)。また、気温18℃が30℃と比べて多くなります(表3)。

図2 株あたり採花本数と周長8.5cm以上の仮軸数との相関
**は1%水準で有意(n=8)

成果活用面・留意点

1.水温20℃(±1℃程度)における、気温の違いを調査した結果になります。

2.試験の概要は以下のとおりです。
【試験1】
培土を充填した黒コンテナに定植し、ビニルハウスで流水かけ流し栽培した1年目株を、2019年12月28日~2020年7月20日まで人工気象室(日長12時間、PPFD400μmоl・m-2・s-1)、流水かけ流しで気温30℃、26℃、22℃、18℃(終日)設定で栽培。
【試験2】
試験1と同条件で栽培した1年目株を、2021年2月26日~6月18日まで人工気象室(試験1と同条件で、平均水温19.8~20.7℃)で、気温25℃、20℃、15℃、10℃(終日)設定で栽培。
【試験3】
培土を充填した1/2000aワグネルポットに1株ずつ定植し、ビニルハウスで流水かけ流し栽培した2年目株(調査直近2か月の平均水温22.8℃)。

 

No.969(令和4年(2022 年)6月)分類コード 02-05
969_成果情報_農産園芸_カラー採花本数 (PDFファイル)

 

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