飼料用米に向く「ミズホチカラ」「夢あおば」は省力的な全量基肥施肥栽培が適する
研究のねらい
食料自給率向上や水田の有効活用に向けて、全国的に飼料用米を含めた新規需要米生産が拡大しており、飼料用米に適した多収性品種への生産現場の期待と重要性が年々増してきています。しかし、多収性品種の本県における生育特性等の基礎的データは明らかになっていません。
そこで、本県における、多収性の認定品種である「ミズホチカラ」と、作付拡大が予想される有望品種「夢あおば」について、移植時期や施肥体系が生育及び収量に及ぼす影響を明らかにしました。
研究の成果
1. 「ミズホチカラ」は、6月下旬移植と比べ5月下旬移植では、多収となりました(図1)。
2. 「夢あおば」は、いずれの移植時期でも「ミズホチカラ」に比べて収量は少ないですが、「ミズホチカラ」より出穂期で10日程度早く、成熟期で15日以上早いことが分かりました(図2)。「夢あおば」の収量は、移植時期による差は見られませんでした(図1)。
3. 「ミズホチカラ」、「夢あおば」ともに、いずれの移植時期においても、施肥体系による収量に差は見られませんでした(図3)。したがって、省力性を考慮すると全量基肥施肥栽培が適します。
普及上の留意点等
1. 試験は、栽植密度18.5株/㎡、一株3本植え、中苗移植とし、5月下旬の移植日は5月25日、6月下旬の移植日は6月21日頃に実施しました。なお、ほ場への稲わら還元はありません。
2. 「ミズホチカラ」を5月下旬に移植すると、出穂期の年次間変動が大きく、6月下旬移植では、籾数過剰により成熟期に達しない場合があります(図2)。
お問い合わせ先
農業研究センター 農産園芸研究所 作物研究室
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