黒毛和種種雄牛「茂三」の選抜
農業研究センター畜産研究所生産基礎技術研究室
研究のねらい
熊本県は、黒毛和種の飼養頭数が第4位の全国屈指の生産県です。農業研究センターでは、黒毛和種の生産性・品質向上を図るため、種雄牛の研究・選抜を行っています。
研究の成果
産肉能力直接検定で選抜された候補種雄牛の遺伝的能力を推定するため、産肉能力現場後代検定(産子の肥育・枝肉調査の結果により父牛である候補種雄牛の能力を評価する検定)を実施し、その成績等をもとに、黒毛和種種雄牛「茂三」を選抜しました。
特徴は次のとおりです。
(1)血統
(2)現場後代検定成績及び育種価
◯脂肪交雑(BMS№) 去勢の平均は8.67、雌の平均は7.00、全体の平均は8.07と高く、育種価(BV)※も+2.478(評価種雄牛2,798頭中28位)と高いです(表1、2)。
◯枝肉重量 去勢の平均は532.2kg、雌の平均は485.5kgといずれも歴代最高の成績であり、育種価(BV)も+111.16kg(評価種雄牛2,798頭中28位)と高いです(表1、2)。
※育種価(BV):産子の成績等をもとに、その後代が父牛の遺伝的影響でどれだけ改良されるかを予測した数値
成果活用面・留意点
量質兼備の産肉能力を有し、血統が稀少であり幅広い利用が見込まれるため、黒毛和種の改良、増殖及びブランド力の強化に大いに貢献することが期待されます。
肉用牛(肥育牛・繁殖牛)
ICT機器の活用により放牧牛の監視作業の軽労化が可能である
黒毛和種種雄牛「忠平幸(ただひらゆき)」の選抜
黒毛和種種雄牛「幸勝平(ゆきかつひら)」の選抜
褐毛和種種雄牛「菊幸(きくゆき)」の選抜
人工知能やICT機器の活用により放牧牛の発情予測および位置把握が可能である
自動体重計測システムの活用により省力的に放牧牛の体重計測が可能である
褐毛和種種雄牛「第二光晴」の選抜
黒毛和種去勢肥育牛の早期出荷技術
放牧肥育牛の発育と肉質は、冬期および出荷前の発酵TMR給与で改善できる
褐毛和種における種雄牛の経済形質関連遺伝子の効果
褐毛和種去勢肥育牛の早期出荷技術の開発
「福栄豊(ふくえいほう)」朝栄系稀少系統の復活!!
「光晴重」の後継牛として「第一光晴(だいいちみつはる)」を選抜
ずば抜けた枝肉重量を記録!「光重球磨七(みつしげくまなな)」を選抜
脂肪交雑歴代2位!黒毛和種種雄牛「福安照重」を選抜
全国に通用する産肉能力をもつ黒毛和種種雄牛「美津福重」誕生!
地域資源を活用した肉用繁殖牛・育成牛向け発酵TMRは利用可能である
(No.868(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 08-11)優良種雄牛の作出 褐毛和種「重波泉」の選抜
(No. 720(令和元年(2019年)5月) 分類コード 01-14)阿蘇産牧草主体の褐毛和種育成牛・繁殖雌牛用発酵TMRは利用可能である
(No.871(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 08-14)優良種雄牛の作出 褐毛和種「光玉重ET」の選抜
(No. 721(令和元年(2019年)5月) 分類コード 01-14)優良種雄牛の作出 黒毛和種「久茂国」の選抜
(No. 718(令和元年(2019年)5月) 分類コード 01-14)優良種雄牛の作出 褐毛和種「第二十二光重」の選抜
(No. 719(令和元年(2019年)5月) 分類コード 01-14)優良種雄牛の作出 褐毛和種「春五月」の選抜
(No. 713(平成30年5月) 分類コード 01-14)優良種雄牛の作出 褐毛和種「春山栄」の選抜
(No.714(平成30年5月) 分類コード 01-14)放牧肥育牛を出荷前 4 ヵ月間牛舎内で飼養することで肉質と食味が改善する
(No.829(平成 30 年 5 月)分類コード 08-14)褐毛和種種雄牛「弦球」の選抜
(No. 708(平成29年5月) 分類コード 01-14)飼料用米を含む発酵TMR給与により褐毛和種肥育牛の低コスト生産が期待できる
(No.780(平成 29 年 5 月)分類コード 08-14)粉砕玄米を多給した褐毛和種放牧肥育牛の肉質特性の解明
(No.787(平成 29 年 5 月)分類コード 08-14)褐毛和種種雄牛「光重球磨五」の選抜
(No. 701(平成28年5月) 分類コード 01-14)褐毛和種去勢肥育牛における未加工玄米給与の影響
(No.733(平成28年5月)分類コード08-14)飼料用玄米を肥育用配合飼料の代替として給与した褐毛和種去勢牛の放牧肥育技術
(No.742(平成28年5月)分類コード08-14)黒毛和種種雄牛「百合照茂」の選抜
(No. 702(平成28年5月) 分類コード 01-14)親子放牧下における褐毛和種哺乳牛の消費エネルギーの推定
(No.743(平成28年5月)分類コード08-14)胸囲の測定値から黒毛和種子牛の体重が推定できる
(No. 700(平成28年5月) 分類コード 08-14)