キラッと輝く女性たち

オリーブ

苓北町 「感謝」をモットーに!オリーブで町を元気に

福田 由利子さん・福田 真由さん

プロフィール

〇労働力 健治さん(園主)、由利子さん、真由さん(娘)
〇経営規模1.2ha オリーブ350本

はじめに

苓北町は、天草諸島下島の北西に位置し、周囲には美しい海が広がり、温暖な気候を生かした柑橘類やレタスなどの生産が盛んです。
今回紹介するのは、この地でオリーブの生産から加工、販売まで行っている福田由利子さんと娘の真由さんです。平成23年からオリーブ栽培を始め、平成28年に、「福田さん家のオリーブ園。」を立ち上げ、家族3人で役割分担を図りながら経営を行っています。

即実行」から始まるオリーブ栽培

苓北町出身の福田さん夫婦は、『地域で雇用を増やしたい。そして、その家族が少しずつ増えていき、地元が元気になってほしい!』という思いのもと、日頃から「自分達に何かできることはないか?」と考えていました。
そんな中、オリーブ栽培について、知人からの勧めやラジオ放送で、取り上げられていたことなど、偶然が重なり、オリーブ栽培に興味を持ちました。
早速、天草管内でオリーブ栽培を行う会社に、栽培技術等を直接聞きに行き、自分たちで栽培することを決意しました。

初めての連続

初めての栽培は合計150本、3種類のオリーブから始まりました。当時、オリーブの振興を図るための町の事業(オリーブ苗の無償配布)を活用し、植え付けを行いました。
植え付けの際には、1m四方の土を掘る必要があり、全ての苗を植えるため、夫婦2人で朝から晩まで必死に手作業で穴を掘りました。
通常、植え付けしてオリーブに実がつくまで10年かかり、途中でやめる方も多くいらっしゃったそうです。しかし、福田さんのオリーブは3年目で実を付け、収穫できた10㎏の実から、1.2㎏の油を初めて抽出できました。これまでの苦労が報われ、とてもうれしかったそうです。

収穫したオリーブの実

こだわりのオリーブから生まれる加工品

販売中のオリーブ茶

由利子さんは、自家産のこだわりオリーブを原料として加工品を製造しています。オリーブ生産では除草剤を使用せず、乳酸菌生成エキスや、牡蠣殻・フジツボ等を粉砕し塩分を抜いたミネラルが豊富に含まれるオリジナルの肥料を施肥する等、できるだけ無農薬に近づけた安全安心なオリーブづくりにこだわっています。このオリーブを用いて、生産量が限られるオリーブオイルだけでなく、葉にも注目し、オリーブ粉茶・茶葉などを自家製で製造しています。お孫さんにジュース代わりとしてオリーブ茶を飲ませたら大好きになったことがきっかけで、商品化を行い、現在ではオリーブ茶のほか、オリーブ茶を練り込んだパスタ・そうめんなど、様々な商品を開発し、製造しています。

販売の工夫

商品の販売は真由さんが担当しており、管内の直売所や天草空港、イベントでの出店、ネット販売等で行っています。お客さんに商品をPRするため、ホームページやSNS(Facebook、インスタ等)での情報発信にも力を入れています。特に、SNS発信では、ただ商品を紹介するだけでなく、実際の栽培の様子や家族での収穫を行う様子など、お客さんが見たときに興味をもってもらえるような内容を心掛けています。
また、もともと機械倉庫だった建物を、全て真由さん自身で、床や壁などこだわりの内装にリフォームし、令和2年6月から、苓北町に店舗をオープンしました。
店舗では、様々なオリーブ商品を販売するとともに、店内一角にはテイクアウトコーナーを設け、オリーブ茶やオリーブオイルを用いたソフトクリームなどを提供しています。
店舗には、地域の方々やSNSを見て来られる観光客の方々など、幅広い客層の方がいらっしゃいます。
「交通の便が悪く、立地的には条件が悪いけど、多くの方に、苓北町に訪れてほしいので、あえてこの場所に店舗をつくりました。」と、真由さんの熱い思いが込められています。

テイクアウトメニュー
テイクアウトコーナーの様子
店内の様子

将来の夢

将来は、苓北町の海が一望できる場所で、ゆっくり飲食ができるカフェや、収穫体験などの活動が一体的に楽しめる空間をつくることだそうです。そして、そこで雇用を行い、たくさんの人が集まる場所を目指しているそうです。
「今まで人に恵まれて、多くの方に支えられてきた。これからも感謝をモットーに、人との出会いを大切にしていきたい。」と語る福田さんたちの今後の活躍が期待されます。

福田さん一家の様子

(紹介 天草広域本部 農林水産部 農業普及・振興課)

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