キラッと輝く女性たち

花き(トルコギキョウ、ストック等

高森町 「つながりが世界を広げる」~農業の可能性は無限大~

白石 恵美さん

プロフィール
○家族構成 夫、息子、娘2人、父、母
○経営内容 花き(トルコギキョウ、ストック等7品目)

はじめに

高森町河原地区は、標高700m~800mの冷涼な気候を活かして、夏秋期にトルコギキョウやヒマワリなどの花き栽培が行われています。今回ご紹介するのは、花き農家の白石恵美さんです。

花き栽培へのかかわり

実家の農業を継ごうと農業大学校に進学。そこで出会った夫(豊和さん)と結婚し熊本市から高森町へ移り住み、夫婦で花き栽培に取り組んでいます。
豊和さんの家では、畜産(あか牛の繁殖)と露地野菜(大根、馬鈴薯)の経営を行っており、豊和さんの就農をきっかけに、花きの栽培に取り組み始めました。
恵美さんは、実家が農家ですので、農業に対する不安は感じていませんでしたが、高森町に嫁いだ直後は、栽培期間の短さや寒さ(雪や凍結)などの環境の違いに驚いたそうです。現在は、子供が大きくなり、手がかからなくなったため、また栽培管理と選別を担当しながら、花きを使った加工品の生産・販売にも取り組んでいます。

収穫の様子

ドレッシングとの出会い

2014年冬、地域の若い人口が減少する中で、地域の人・ものを使い、地域の良いところを見直そうと高森町役場を中心とした研修会が行われました。そこで、できることからやってみようと、様々な農家が自身の栽培する農産物を持ち寄り、焼き肉のたれやドレッシング作りに挑戦しました。その中で生まれた一つがストックの花を使った「花彩(はな)ドレッシング」の原型となりました。自分達の花がドレッシングになるというのはそれまで想像もしておらず、新たな可能性を感じた瞬間だったそうです。

ドレッシングの商品化

地域プロジェクトの一つとして試作したドレッシングの評判がよく、何か新しいことに挑戦したかった恵美さんは、豊和さんの後押しもあり、商品化に向けて動き出しました。商品化にあたっては様々な準備や資格取得が必要です。農業とは別の勉強を一からする必要がありましたが、仕事をしながらの勉強は大変だったものの、新しい知識を得る楽しさがあったそうです。
その後、地域おこし協力隊や高森町役場の協力を受けながら、2017年より「花彩ドレッシング」の製造・販売を開始しました。

花彩ドレッシング

こだわり

ドレッシング作りは、花を育てるところから始まっています。人の口に入るものであるため、農薬散布はいつも以上に注意を払い、減農薬で育て、毎年残留農薬分析を行うなど安全面にもこだわっています。また、添加物を使わず、原材料もなるべく地元のものを使っています。
味は、イベント会場などでアンケートを行い、シェフにアドバイスをもらうなど試行錯誤しました。さらに、見た目のきれいさにこだわり、油の量による三層の色合いを重視して研究を重ねられました。
パッケージデザインを、村おこしに力を入れている法人のTAKAraMORI(タカラモリ)にしてもらい、可愛いドレッシングが完成しました。
花は人に贈ることも多いのでドレッシングも同様に大切な人への贈り物として選ばれるよう思いを込めながら作られています。

ストック

農業の可能性は無限大

ドレッシングの製造・販売の中で、積極的なイベント参加やSNSの利用など自ら情報を発信しています。お客様の声を直接聞くことで、新たな発見もたくさんあります。ただ栽培をしているだけでは繋がることのなかったような人たちとも関係が生まれました。農業は柔軟性に富んでおり、自分のやりたいことに挑戦することが出来ます。
恵美さんは農業の可能性は無限大だと強く感じています。

今後の夢

今後は、後継者育成として学生の研修受け入れや農業体験などに挑戦したいと考えています。
また、ドレッシングの販路拡大に努め、ゆくゆくは関東圏、さらには海外まで販売を行えるように、花とドレッシングの安定生産と消費拡大を行っていきたいと意気込んでいます。さらに、自分の発信できるものや人とのつながりを大切にして、農業の魅力を色んな方々に知ってもらい、子供達になりたい職業の一つとして選ばれるような夢のある農業を目指したいと語る恵美さんです。

※販売先:TAKAraMORI【高森町】、グリルド加藤【高森町】、Water Forest(ウォーターフォレスト)【高森町】、Noel(ノエル)【熊本市花屋】にて、1,200円/本で販売中です。

(紹介 県北広域本部 阿蘇地域振興局 農業普及・振興課)

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