プロフィール
〇家族構成 夫、息子、娘、父、母
〇経営規模 繁殖牛68頭、イタリアン10.2ha、青葉ミレット5.5ha、水稲3ha 等
キラッと輝く女性たち
繁殖牛・イタリアン・青葉ミレット・水稲等
美里町 あか牛にこだわり笑顔で夫婦仲よく牛育て
西田 知徳子さん
はじめに
美里町は、熊本県のほぼ中央に位置する中山間地域であり、水稲、茶、アスパラガス、かぼちゃ、あか牛の生産が盛んです。
今回ご紹介するのは、就農して18年目の西田知徳子さんです。
西田家は、父の代からあか牛の繁殖経営を開始し、三姉妹の三女である知徳子さんが後継者として平成14年に就農されました。平成21年に結婚され、二人のお子さんを育てながら家族経営に取り組まれています。
あか牛へのこだわり
あか牛(褐毛和種)は、「比較的病気に強く温厚で、とても飼い易い」という特徴があります。また、適度な脂肪交雑(さし)と赤身のおいしさから、近年は消費者の健康志向の高まり等で、黒毛和牛とは異なるあか牛の魅力が注目されています。西田さんは、このようなあか牛にこだわって愛情たっぷりに飼育されています。
飼養管理から繁殖管理まで
繁殖牛から子牛まで、日々の餌やり等飼養管理をご夫婦で行われています。
日々の観察を特に大切にされており、「牛の事故は、起きる前に『起こさないための予防』がとても大切だ。」と話されています。普段からお世話になっている共済の獣医師と連携し、早め早めに対応することで、母牛の分娩事故や子牛の下痢などの病気も減少しているとのことです。
知徳子さんは、家畜人工授精師の資格を取得しており、西田家の母牛の種付けはすべて知徳子さんが行っています。
種付けのタイミングや母牛の状態、血統などを考慮して人工授精をされています。当初はなかなかうまく受胎せず大変苦労されたそうですが、経験を重ねるにつれ、年々受胎率は向上しており、子牛の生産状況も良くなっています。
「子牛は肥育農家のために生産すること」をモットーに、肥育農家が儲かるための子牛生産を心がけておられます。生産した子牛を出荷する際には、県家畜市場で肥育農家との意見交換を行い、要望等の情報収集をしながら、枝肉重量及び脂肪交雑(さし)の高い牛が生産できるよう、交配する精液の選定や子牛管理育成に努められています。
また、子牛品評会や共進会にも積極的に参加し、更なるレベルアップに向けて頑張っていらっしゃいます。
地域社会への貢献
家畜排せつ物から生産した堆肥は、県の堆肥共励会に毎年出品され、良質堆肥生産に努めておられます。完成した堆肥は、自家の粗飼料生産に利用するだけでなく、近隣の水稲や野菜の生産にも利用され、喜ばれています。
その他に、地域の子牛の運搬も担っており、家畜市場等への子牛の搬入が難しい小規模・高齢化した農家の支援も行われています。
将来に向けて
現在、仕事と子育てに日々忙しくされている知徳子さんですが、両親のアドバイスを受け、夫婦で話し合いながら、経営者としてゆとりある経営の実現を目標に努力されています。
また、将来の夢を尋ねると、「お子さんとあか牛の繁殖経営をすること。」と答えられ、取材に行った日も二人のお子さんと一緒に餌やりをされていました。息子さんは、「お母さんのように家畜人工授精師になる。」という夢を元気よく語られていました。
仕事も子育ても笑顔で元気よく頑張る知徳子さんの笑顔は、キラキラと輝いていました。
(紹介 県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課)