☆経営品目
水稲86.5ha、麦241.5ha、大豆154.9ha、ズッキーニ80a
葉にんにく50a、スイートコーン20a、ミニトマト5a
キラッと輝く女性たち
水稲、麦、大豆
城南町 すぎかみ農場の二人のマドンナ理事
農事組合法人 熊本すぎかみ農場理事 西塔 敏美さん・亀井 由美子さん
はじめに
熊本市南区城南町杉上地域は、熊本県のほぼ中央に位置し、一級河川である緑川の両岸の広大な土地で、米、麦、大豆をはじめとする土地利用型作物を中心に、多様な農業が展開されている地域です。
平成26年11月12日、この杉上地域に農事組合法人「熊本すぎかみ農場」が設立されました。構成員は、現在は236名で、米、麦、大豆のほかに、ズッキーニやスイートコーン、葉にんにく、玉ねぎの栽培を行っています。西塔さん、亀井さんはこの大きな農事組合法人で女性理事を務めています。
理事になったきっかけ
西塔さんは若い頃から夫婦でずっと農業をしていて、自然と農業機械の操作を習得しました。すぎかみ農場の立ち上げ時に女性の理事を探されていて、畑の中で農業機械を乗りこなす西塔さんに驚いた代表理事長が「この人だ!」と声をかけてくださったのがきっかけです。
亀井さんも両親とともにずっと農業に携わっていましたが、両親の高齢化もあり一度農業を離れました。しかし、すぎかみ農場の副理事長に声をかけられ、もう一度農業をやろうと思いました。不安が大きかったのですが、西塔さんと出会い、年も近い西塔さんの元気さに背中を押され、一緒にやりたいという気持ちになったそうです。
現在の活動
とにかく現場に出て、たくさんアドバイスを行っています。農業は経験をして覚えていくことも多いですが、意見を交わしあいながら行うのが重要です。作業者同士のコミュニケーションが多いおかげで、信頼関係ができ、作業者みんなの連携感が高まっています。現場で作業されている方も「元気いっぱいの女性理事と共に作業することで、現場に活気があふれ、毎日楽しく作業することが出来ている」と話していました。
先日、5日間の玉ねぎ詰め放題のイベントをみんなで企画しました。新聞やラジオ、口コミなどで宣伝した結果、多い日には200人以上の方に来ていただき、友人を引き連れて参加されたり、親子で競い合ったり、みんなが笑顔になった大成功のイベントになりました。
仕事でのこだわり
仕事を行ううえで最も重要なことは「改善」です。新しいことにチャレンジして、1年目に失敗することは悪いことではありません。チャレンジして失敗したことを、2年目で失敗しないようにすることが大切です。原因を見つけて改善を行い、よりよい農作物を作っていくことを心がけています。
また、農場経営には幅広い年代の新人さんにたくさん来てもらい、常に農場に新しい風を吹かせてもらっています。一生懸命に働く新人従業員の姿勢は、農場でともに働いている人にも伝わって相乗効果となり、みんなですぎかみ農場を日々進化させています。
いろんな人がいれば、いろんな考えがあります。だから、全体の作業を行っているとき、なにか少しでもおかしいと思うところがあれば、必ずその場で疑問点を明確にし、解決するようにしています。これも、すぎかみ農場をよりよくしていくための一つのこだわりです。
これから
これまで、大豆から納豆やきな粉、豆腐、味噌を作ったり、葉にんにくを使って肉まんも試作しました。ズッキーニの炒め物が好評だったときは、すごく嬉しかったそうです。農場の女性部と意見を出し合いながらおいしいものを作り、それが売り上げにつながることは、とても楽しいしやりがいがありました。
これからも、農場で作った農作物の加工品の販売のほか、現在行っている「玉ねぎ詰め放題」や、地域のみなさんと一緒に料理するイベント、子どもたちに農業機械に乗ってもらう体験などを企画・運営していきたいと考えています。すぎかみ農場をたくさんの人に知ってもらい、一緒に働く仲間が増えることが楽しみです。すぎかみ地域の農業の発展に向けて、毎日がんばっているお二人です。
(紹介:県央広域本部農業普及・振興課)