緒方 明子さん

プロフィール
○設立
おがた農園　昭和48年
そらのもり　平成25年
○活動
カフェの経営、御船町観光協会理事、着物着付け、その他地域活性化活動

はじめに

御船町七滝は山都町に接している中山間地です。おがた農園は明子さんのお父さんが経営しています。お父さんは、北九州市で商社マンとして働いていましたが、経済発展と共に進行していく環境破壊を目の当たりにし、自給自足で環境負荷の少ない生活がしたいと考え、農業のノの字も知らない中で有機農業をスタートさせました。この地で45年以上、有機無農薬で米と野菜を栽培しており、現在は明子さんの兄である健さんが代表を務めています。
明子さんは、おがた農園の第4子であり、農業と食に関わる活動に取り組んでいます。

Organic Café そらのもり

明子さんは毎週火曜日、御船町七滝で「Organic Caféそらのもり」をオープン。おがた農園の有機野菜や地域の食材をふんだんに使った手作りのランチプレートを提供しています。旬な食材を使うためメニューは毎回変わるので、行くたびに異なる味を楽しむことができます。
20代の頃は農園での仕事が中心だった明子さんですが、人の健康に良い食事を提供したいとの思いが強くなり、家庭での料理経験や沖縄県の飲食店で働いた経験を活かし、5年前に「そらのもり」の営業を始めました。建物はお父様が古い家をリノベーションした温かみのある空間となっており、店内では無農薬栽培の生姜で作った生姜シロップなども購入することができます。
（Organic Caféそらのもり：御船町七滝5021）

出店活動について

熊本赤十字病院隣の熊本健康管理センター1階には、御船町を拠点とするNPO法人「生活と教育」が運営している「オーガニックレストランLeben（レーベン）」があり、平日に営業をしています。ここでは、毎月第1、第2水曜日のランチにおがた農園の野菜を用いた料理が提供されており、明子さんも調理を担当しています。
また、熊本地震をきっかけに御船町では地域の魅力発信を目的とした「シェアストア みんなのふね」がオープンしています。ここは店長が日替わりでお店を開き、カフェやバーの他にイベント会場としても使用できるようになっています。明子さんは毎週水曜日の夜に出店し、有機野菜をたくさん使った料理やお客さん同士の交流を楽しんでもらっています。明子さんは、このような町内外の方々が集える場所を活用することにより、さらに町が活性化してくことを期待しています。

みふね地域食堂・子ども食堂

御船町では、震災後に交流を深めた町内の飲食店オーナーや、地域の有志の方々で構成された組織「ごはん日和」が、御船街なかギャラリーで「みふね地域食堂・子ども食堂」を毎月開催しています。「みふね地域食堂・子ども食堂」は今年度始まった取組みで、活動に賛同された地元の飲食店や商店から、無償で提供してもらった原材料を「ごはん日和」のメンバーが調理しています。配膳は地元のボランティアの方々が行っています。料理は地元農産物をたくさん使用しており、おいしくてヘルシーです。
明子さんも地域の方や子供たちにおいしい手作り料理を食べてもらいたい、地域住民の交流の場を作りたいとの思いから、この活動に参加しています。また、同じ御船町内にある平成音楽大学の学生の協力により、会場では楽器の生演奏も行われています。そのため、子どもからお年寄りまで毎回200名近くの参加者があり、会場は大いに盛り上がります。今年度末まで続ける予定とのこと。機会があれば、ぜひご参加ください。
（来年度の実施も検討中）

これから

現在、カフェや食堂などの出店活動の他、食育活動などを幅広く行っており、多忙な日々を過ごしています。「今後も様々な業種の方々と積極的に交流して、多くの刺激を受けながらクリエイティブな活動を行っていきたい。そして、45年前に有機農業を始めた父のように、自分と向き合い時代の先を走る人になりたい」と力強く語る明子さんでした。

（紹介　県央広域本部　上益城地域振興局　農業普及・振興課）