プロフィール
○家族構成 父、母、兄
○経営面積 不知火類、河内晩柑等 160a
キラッと輝く女性たち
不知火類、河内晩柑等
天草市 原点は「販売」 消費者目線でのモノづくり
坂本 真理さん
はじめに(就農経緯)
天草市では、温暖な気象条件、土壌条件から不知火類(デコポン)やポンカン、河内晩柑などの中晩柑類が盛んに栽培されています。
実家が果樹農家で、幼いころから両親の働く姿をみてきた真里さん。「いつか私も農業をしてみたい」という思いがあり、就職後も休日は農業の手伝いをしていました。その後、契約が切れたことを機に本格的に農業に携わるようになりました。
親元就農から独立へ
就農当初は、親から言われた作業を行いながら、真理さんの就農と同時に始めた直売所での販売を担当するようになりました。
真理さんは、恥ずかしいから直売所へ搬入に行きたくないという若手農家が多い中、積極的に足を運び、自作のチラシ等を作成して販売を行いました。この直売所での販売経験を通して、直接消費者の反応を見ることができ、販売の面白さ、農業の面白さに気づいたそうです。
親元に就農して2年が経ち、「独立したい」という思いから、貯金を切り崩して道具を揃え、デコポン30aの管理に挑戦しました。そして翌年には、完全に親元から独立し、果樹農家として再スタートしました。
初めは技術・知識ともに不足していたため、失敗を重ねながらも先進農家の園地をみて学んだことを実践し、次に活かすことを心掛け技術を身に着けていきました。
生産へのこだわり
真理さんは、女性1人で果樹園160aを栽培しています。本当に一人で管理ができるのかと考える方もいるかもしれません。しかし、実際に真理さんは一人で立派な園地管理をし、安定した経営を営んでいます。そこで、今回真理さんの生産へのこだわりについて質問してみました。
(1)常に樹を見ること
常に園地に行き、それぞれの樹の状態を把握し、マメに手を入れながら管理すること。負けず嫌いな真理さんは、両親に負けない園地作りを意識しているそうです。
(2)外観が綺麗で食味の良いものを
外観が綺麗で食味の良い果実を作ることで、販売金額が増加し、更には効率的な選果が出来るので作業性も向上します。そのため、枝傷や黒点病は付けないように注意して管理を行っています。
(3)段取り良く作業すること
「段取りよくすることがさばけるコツ」と話す真理さん。特に作業が集中する収穫期は、いかに効率的に作業ができるか工夫しながら行っています。今年は、昨年よりも順調に作業が進んでいるそうです。
「私の農業の原点は、『販売』です。直売所での販売経験から、消費者が手に取りたくなるようなモノづくりをしていきたい」と話されました。
農業は楽しい
とにかく農業を楽しんでいる真理さん。「ミカンづくりが楽しい。わさもん(新しいもの)好きやけん、新しい品種が出るとわくわくする。趣味で様々な柑橘を育てている」と目を輝かせます。
実際に園地に行くと、普及指導員も初めて見るような柑橘がいくつも植えられており、一つ一つ丁寧にその品種の特性について教えてもらいました。
今後について
真理さんは、昨年、新たに貯蔵庫を建築し、更なる規模拡大を図りたいと意気込んでいます。そんな真理さんの今後の目標は、「自分の農業を確立すること」です。そのためにも生産面では、課題としているせん定の技術を高め、毎年安定した収量の確保・大玉果の生産を目指すこと。経営面では、経営者として将来雇用していくためにも人の扱い方を学ぶことです。研修生の受け入れ等を行い、今のうちから少しずつ経験を積んでいく予定です。また、受け入れた研修生には、消費者目線でのモノづくりを伝えるとともに農業の面白さを知ってもらいたいと話されました。
将来、天草の農業が真理さんのようなキラッと輝く女性たちの活躍で、更に発展するよう期待しています。
(紹介 天草広域本部農業普及・振興課)