結婚当時、旧鹿本町管内では、家族経営協定などの取組みが積極的になされており、その流れで家族経営協定を結び、守川家の農業経営に参画することになりました。
結婚前はメロン中心の経営でしたが、実家でも作っていた花苗物の導入を進め、平成11年の台風でメロンのハウスが壊れたこともあり、その後は花苗物が経営の主力に変わっていきました。
現在は地域の水田を集積した「農事組合法人 川北夢百笑」を夫が組合長として運営しているため、自宅の主力である花苗は、本人が中心となり農業経営を行なっています。
キラッと輝く女性たち
施設園芸、水稲
山鹿市 地域の人と共に楽しく暮らしたい
守川 千穂さん
プロフィール
◯家族 夫
◯農業経営 施設園芸(花苗)+水稲(法人川北夢百笑)
◯山鹿市農業委員
はじめに
出身は宇城市で苗物が中心の農家に生まれ、就職し仕事をする傍ら、実家が忙しい時期は手伝いもしていたこともあり、宇城の4HCにも在席していました。
友人の紹介で守川国博さんと知り合い、平成六年に結婚し、山鹿市鹿本町で、本格的に農業に携わることになりました。
自家の農業経営に参画
女性リーダーとしての変遷
平成13年から鹿本町男女共同参画懇話会委員を皮切りに、県の同審議委員に就任。この組織は、農業ばかりでなく商工業の方々との交流などがあり、視野を広げるのに非常に役に立ちました。
その後もJA女性協フレッシュミズ部会長、農業女性アドバイサーなど農業女性のリーダーを歴任し、平成27年から山鹿市の農業委員に抜擢され、現在はくまもと農業委員女性委員の会理事になっています。
「私はイベント好き」
農業委員になって、県や九州ブロック大会、研修会等に出席する中、他地域の女性の委員たちと交流し、地域の活性化について勉強してきました。
特に女性の委員からは、食育や食品加工などの話題が出ていましたが、山鹿市は女性の委員が少ないので、なかなか女性に特化した活動ができないと感じていました。
夫との雑談の中であった地域営農法人の「横のつながり」が少ないことやそれぞれで会計や請負のやり方が違うため、お互いに紹介しあうことで参考になるのではと思い、農業法人を集めてのイベントを開催することになりました。
令和元年にコーディネーターやパネラー選び、会場の手配などの企画から運営まで、他の農業委員たちの力を借りながら、農業法人を集めたパネルディスカッションを開催しました。非常に盛会で参加者からも高評価をいただき、夫からは「イベント企画しているときが一番生き生きしているね!」と冷やかされました。コロナの影響で昨年からは「イベント」ができていないので、少し寂しく感じています。
地域還元と農福連携
自家の農業経営では、労力確保にやや苦戦しており、雇用していた人が体調不良で来られなくなりましたが、大学生の息子が手伝ってくれたので助かりました。
また、農業委員繋がりで、近隣の福祉施設から入所者に来てもらい、鉢の土入れなど手伝ってもらうことができました。
コロナ禍で実現していませんが、花を愛でることができる時期や麦が成熟して一面「黄金の絨毯」になる時期には、農場を近隣の老人福祉施設の散歩コースにしてもらったり、今でも行っている苗の配布を続けるなど、出荷の盛期が過ぎたら、地域の人たちなどに農場を開放したいと考えています。
農業で大儲けしている農家のようにはいきませんが、「小銭は稼ぎながら、地域の人たちと楽しく暮らしていく」そういう農業をしていきたいです。