プロフィール
〇家族構成 夫、子供3人、義父、義母
〇経営品目 洋ラン鉢 1ha、6次化商品
キラッと輝く女性たち
洋ラン
宇城市 夢の花咲く島「戸馳島」から元気なランを笑顔でお届けしたい
宮川 水木さん
はじめに
戸馳島は、八代海北部に浮かぶ小さな島ですが、古くから花きの生産が盛んで34年前に設立され、13の農家からなる洋ラン生産グループ「五蘭塾」は全国トップクラスの生産量を誇っています。
今回は、そんな戸馳島で洋ランのインターネット販売を行っている宮川 水木さんをご紹介します。
「森水木のラン屋さん」について
水木さんは、もともと鹿児島県出身ですが、大学卒業後熊本県の企業に就職し、その際に、パートナーの(有)宮川洋蘭の宮川 将人さんと出会われ結婚しました。そして、結婚した2007年に大手インターネット販売サイト・楽天で、「森水木のラン屋さん」(http://www.rakuten.co.jp/morimizuki/)を開設され、その店長として、洋ラン販売に携わるようになりました(ちなみに、店名である森水木は水木さんの旧姓になります)。
サイトを開設するにあたり、水木さんは、ひとつの信念を持っていました。それは、「インターネット販売というどちらかというと対人関係が希薄になる中で、暖かみ(温度感)のあるお店にしたい」という思いでした。そこで、水木さんは将人さんと相談し、自らサイトのデザインを考え、また、ブログやメルマガ等で、洋ランの事だけでなく、家族やプライベートのことなども発信し、お客さんがより身近に感じてもらうように様々な工夫を凝らしました。
商材面でも、従来の贈答用の大輪胡蝶蘭だけでなく、家庭で気軽に楽しめるミディ・ミニサイズの様々な種類の洋ランや、初心者でも気軽に洋ラン栽培を楽しめる「洋ラン花咲く苗セット」などを提案しました。
サイトを開設してから2年間はなかなか注文も来ず、苦労したとのことですが、口コミ等により徐々に評判が広がり、2012年には、「顧客満足度の最大化賞」を受賞するまでになりました。現在では、年間5万鉢を出荷し、300種類の洋ランを取り扱うまでに成長し、約4万店舗の中から農家初となる楽天市場の年間MVPを受賞するまでになりました。
ボトルフラワーについて
「森水木のラン屋さん」では、生花だけでなく、生花に特殊なドライ加工を施し、ボトル(ガラス)に密封保存することで、半永久的にお花を楽しむことが出来るボトルフラワーの販売も行っています。
ボトルフラワーの製作に取り組むきっかけになったのは、オランダへ花の勉強で訪れた際、ホテルに飾られているボトルフラワーを見て、その美しさに感動したことから始まります。
帰国後早速、ボトルフラワーの開発に着手し、その後、2年間の試行錯誤を経てようやく商品化され、2013年からボトルフラワーの販売を開始したところ、九州ベンチャーアワードでグランプリを受賞したり、フラワーコンテストでベストプランツ賞を受賞したりなど、花の新たな需要を開拓することができました。現在では、従来のお祝い用のものだけでなく、仏壇のお供え用のボトルフラワーも開発され、好評を得ています。
また、ボトルフラワー以外の加工品として、最近話題になっているハーバリウムにも取り組まれており、2018年から販売を開始しています。
熊本農家ハンターの活動
パートナーの将人さんは、増え続けるイノシシによる農作物被害に対抗するため、県内各地の若手農家「くまもと☆農家ハンター」を立ち上げました。水木さんも狩猟免許を取得するなど、将人さんと一緒に様々な活動を行っていますが、さらに捕えたイノシシをもっと有効活用できないか考えられています。これまで、捕まえたイノシシは、その大部分が埋設処理されており、食用として利用されるのはごく僅かなのが現状です。水木さんは、「農作物を荒らすイノシシだけど、生きている命をいただくわけだから、その全てを利用していきたい。」という思いがあります。そこで、食用としての利用はもちろん、ペットフード、皮を使ったアクセサリー、肥料としての活用等についても取り組んでいます。
これから
三児の母であり、「森水木のラン屋さん」の店長である水木さん。多忙だったこともあり、これまで洋ランの栽培に接することはあまりできませんでしたが、子育てがある程度落ち着いたら、積極的に携わっていきたいと意欲的です。そして、今後も夢の花咲く島「戸馳島」から、愛情一杯の洋ランを届けたい、と笑顔で話されていました。