◯就農と菊栽培開始
中学卒業後は、球磨農業高校(現:南陵高校)に進学し、卒業後は一時期、畜産経営を考えたこともあったとのことですが、高校の後輩である、あつ子さんとの結婚を機に菊栽培を始められました。
◯就農当初
就農当初は、初めての菊栽培で分からないことばかりだったとのこと。菊部会の先輩に聞きながら、見よう見まねで、栽培を開始しました。疑問点は、とにかく聞きまくることを大事にしていたそうです。
Introduction of farmers
夏菊、秋菊、年末菊

森さんご夫婦は、あさぎり町で電照ギクを栽培する専業農家です。
平成22年の球磨郡のキク切花品評会を皮切りに、球磨地域農業協同組合花き部会主催の花き品評会で毎回、上位入賞を続け、平成27年には、県花き協会主催の花き品評会で金賞一席と、農林水産大臣賞を受賞されています。また、近年の物価高騰や異常気象の中で、毎年、高品質な菊を生産し続けており、市場評価も高く、部会メンバーのリーダーとなっておられます。
今回は、これまでの取り組みと、良い菊を作る秘訣についてお聞きしました。


◯就農と菊栽培開始
中学卒業後は、球磨農業高校(現:南陵高校)に進学し、卒業後は一時期、畜産経営を考えたこともあったとのことですが、高校の後輩である、あつ子さんとの結婚を機に菊栽培を始められました。
◯就農当初
就農当初は、初めての菊栽培で分からないことばかりだったとのこと。菊部会の先輩に聞きながら、見よう見まねで、栽培を開始しました。疑問点は、とにかく聞きまくることを大事にしていたそうです。

◯自分の圃場の土を知る
毎年土壌を分析し、土壌断面調査の結果と併せて施肥設計や有機物投入をされています。特に作土層を確保するために、高うね栽培にし、水分管理もこまめに行っています。
◯苗8作
一般的に苗半作と言葉がありますが、森さんは「苗8作」と言われます。菊の場合、需要期が1週間程度であり、いかに集中出荷できるかが、収益確保の基本です。そのため、スタート時点の苗の大きさを一定の範囲に収めることがその後の売上につながります。よって、親株は耐候性ハウスで多めに作り、定植する苗は夫婦で目慣らしをして、大きすぎる、小さすぎるものは外します。
◯環境づくりにはコストをかける。
近年の酷暑に対しては、遮光資材の導入など対策を実施されています。これまでの一般的な管理では対応することができず一時的なコストはかかりますが、その分、収益で取り返したとのことでした。
◯全部売り切る。
どんなに工夫しても、部会の出荷規格に満たない規格外品がある程度は出ます。それを、「ラップ花出荷」することで、収益につなげる努力をされています。
◯専門家の意見も聞いてみる。
50歳になり、病害虫の発生の見逃しが増えていた時に、当時の普及指導員に「良い菊を作りたければ禁煙しなさい。たばこをやめると、病害虫がいる時のにおいがわかるようになる。」とアドバイスを受け、妻の応援で禁煙外来に通いました。その結果、禁煙に成功し、病害虫が減り品質が向上し、その年の品評会で初めての銀賞を受賞しました。
◯妻の意見を聞き入れる。
禁煙の成功を機に妻さんの話を素直に聞くことが出来るようになったと話されています。それまで「亭主関白」で通してきたが、経営環境が大きく変わる中では、妻と二人で考え素直に話し合いを持つことの重要性を実感したとのことでした。あつ子さんは「もっと早く気が付いたら、高級車が何台か買えたよね。」とほほ笑んでおられました。
◯講習会夫婦で参加し、比較できる試験的実行
講習会は、夫婦で行くことに加えて、聞いたことは我が家に当てはまるか試験的実行をしてみることを二人の約束としておられます。
◯夫婦で楽しむ機会を増やす。
花つくりも、余暇も夫婦で楽しんでいるそうです。最近は幸一さんの趣味の魚釣りに二人で行っておられます。また、二人で旅行する機会も増え、二人で仕事も余暇も楽しむ生活が始まっているとのことでした。


今回のお二人の聞き取りを通じて
結婚を機に菊栽培に取り組まれたお二人。もともと、新しいことが大好きで、研究熱心、以前は菊を第一優先に取り組む幸一さん。品質も成果も自ずとついてくるはず、と思いながらも、出荷直前で大損害を出したこともあり、苦労も多かったとのこと。
結婚30年目にして、「亭主関白」を卒業し、あつ子さんとお互いを高めあう話し合いが進んでいったことで、大きな失敗がなくなり、生産の安定と品質の向上につながったとのこと。二人で築き上げた夫婦の歴史の賜物と感じました。
また、品評会の審査講評を毎年熱心に聞き、その指摘事項には翌年は解決しており、時代の変化に応じた品質向上に取り組んでおられます。
お話を聞く中で、ご夫婦のお互いを思いやる気持ちが、花に現れていると感じ、異常気象など難しい局面の中でも凛とした菊を作り続けていかれるのだと思いました。
(紹介:県南広域本部 球磨地域振興局 農業普及・振興課)



<プロフィール>
森幸一さん・あつ子さん
◯経営概要
夏菊 10a 秋菊10a、年末菊 20a
◯家族構成
本人、妻
◯主な労働力
本人、妻