飼料用トウモロコシでのツマジロクサヨトウの食害リスクは播種(はしゅ)から40日間が高い

農業研究センター生産環境研究所病害虫研究室

研究のねらい

ツマジロクサヨトウは、2019年に国内で初確認され、熊本県でも飼料用トウモロコシ等で発生し、被害を生じました。そこで、飼料用トウモロコシにおいてツマジロクサヨトウが発生しやすい時期を明らかにしました。

写真1 ツマジロクサヨトウの幼虫
写真2 ツマジロクサヨトウによる被害

研究の成果

1.飼料用トウモロコシでのツマジロクサヨトウの発生は7月以降に多くなるため、春播(ま)き栽培に比べて夏播き栽培で注意が必要です(図1、2)。

図1 フェロモントラップにおけるツマジロクサヨトウ成虫誘殺数の推移(合志市)
図2 播種日別の飼料用トウモロコシにおけるツマジロクサヨトウ幼虫数の推移(2020年,合志市)
    ※値は、約200株当たりの中老齢幼虫数です。

2.飼料用トウモロコシでのツマジロクサヨトウ幼虫の食害リスクは、播種から40日間が高く、この時期の目安は草高が100cm以内の生育初期です(図3)。

図3 播種日別の飼料用トウモロコシにおけるツマジロクサヨトウの累積食害株率の推移(2020年,合志市)

成果活用面・留意点

1.試験に用いた飼料用トウモロコシの品種は「スノーデント®115ポラリス(SM8446)」です。
2.防除対策を含むツマジロクサヨトウに関する情報は、農林水産省のホームページ(https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/k_kokunai/tumajiro.html)に掲載されています。

 

No.981(令和4年(2022 年)6月)分類コード 04-11
981_飼料用トウモロコシでのツマジロクサヨトウの食害リスクは播種から 40 日間が高い

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