春播(ま)きトウモロコシLG3490 およびZ-corn112(DH522)の熊本県における品種特性

農業研究センター畜産研究所飼料研究室

研究のねらい

販売中、若しくは数年以内に市販される飼料用トウモロコシ新品種を、県奨励品種と比較し、その特性を明らかにすることにより、優良な能力を有する新品種の速やかな普及を図ります。今回は、「LG3490」および「Z-corn112DH522)(以下、DH522とする)」を、相対熟度に応じて、県奨励品種である「パイオニア108日(34N84)(RM108)」または「タカネスター(RM113)」(以下、比較品種という)と比較とした結果を紹介します。

研究の成果

1.4月上旬に播種した場合、LG3490の播種(はしゅ)から収穫適期までの日数は平均114.7日、DH522の播種から収穫適期までの日数は平均115.3日で、8月上旬に収穫できます(表1)。

2.LG3490およびDH522は、比較品種と同程度の病害虫への抵抗性と耐倒伏性が期待できます(表2)。

3.LG3490およびDH522は、それぞれ比較品種と同等の乾物収量が期待でき、本県における飼料用トウモロコシ品種として有望です(表3、図1)。

図1 品種ごとの3か年の乾物茎葉収量、乾物雌穂収量および乾物率
写真1  LG3490及び34N84
写真2 DH522及びタカネスター
写真3 LG3490及び34N84の果実
写真4 DH522及びタカネスターの果実

成果活用面・留意点

1.生育状況および収量については気象・土壌環境の変化による影響を受けるため、施肥管理や適正な時期における播種を徹底しましょう。
2.2021年5月14日にツマジロクサヨトウが発生したため、パダンSGを5月14日および5月21日に散布しました。

 

No.983(令和4年(2022 年)6月)分類コード 01-11
983_成果情報_畜産‗春播きトウモロコシ品種特性 (PDFファイル)

飼料作