いちごの暖候期の栽培管理について

はじめに

いちごは、暖候期に入ると、過熟に伴う傷み果の発生を中心に収量・品質の低下が問題となります。そのため春先は、品種に合わせた適切な栽培管理を行い、草勢と果実品質とのバランスを調整することが重要です。
そこで今回は、暖候期の栽培管理のポイントについてご紹介します。

温度管理について

2月中旬~3月中旬の目安は、午前中は、光合成を促進するため2224℃を目標とします。午後は、呼吸を抑制するためにやや低めの1820℃で管理し、夜間は、草勢維持のために最低温度5℃を維持することを基本とします。3月中旬以降は、日中25℃以下を目標に管理しましょう。

写真1 春先の理想的な草姿

かん水管理について

少量多かん水を基本とし、生育安定や果実品質の維持を図ります。かん水は晴天日の午前中に行い、曇雨天時のかん水は控えましょう。かん水量については、2月中旬~5月上旬は、150㎖~200//日を目安とします。テンションメーターを設置し、pF1.72.2で管理し、かん水過多にならないように注意します。

摘果・摘葉について

暖候期は過繁茂になりやすく、収量・品質の低下を引き起こすため、黄化葉を中心にやや強めに下葉を摘葉します。葉数は、最低10枚以上を確保し、果房あたりの展開葉が4~5枚程度を目安に管理します。摘葉により風通しが良くなり、品質維持やうどんこ病やハダニなどの病害虫の発生抑制につながります。また、株元から発生する弱い芽を中心に除去し3~4芽程度に芽を整理します。なお、収穫後の果梗枝は随時除去します。

玉出しについて

果実の着色を促進するため、玉だしを行い、果実に日光を十分に当て過熟果での収穫にならないように注意します。

収穫について

果実が傷まないよう、果実品温の低い時間帯(早朝)に収穫を行います。収穫後は必ず予冷し、品質の維持に努めます。暖候期は、厳寒期よりも着色が早く進むため収穫遅れに注意します。

図1 イチゴの着色基準

灰色かび病対策について

灰色かび病菌の生育適温は20℃前後で、曇天や降雨が続き、ハウス内の湿度が90%以上になると、発生が拡大します。暖房機や循環扇で空気を循環させ、ハウス内を乾燥させるとともに、外張などの結露水が、植物体にかからないように排水します。発病葉や発病果の被害残渣は伝染源となるため、速やかに処分します。病害がまん延してからの防除は困難であるため、天気予報に留意し、薬剤による予防防除を行います。また、曇雨天が続いた場合は、くん煙剤の利用を検討してください。

写真2 灰色かび病に羅病した果実

アザミウマ類の防除について

アザミウマは近年、1月下旬頃から発生がみられ、春先に急激に増加するため注意が必要です。そのため、アザミウマの花への寄生、果実被害を早期に確認し、初期防除を心掛けます。また、天敵を利用しているほ場でも、アザミウマ類が多発する際は、天敵利用を中断して薬剤防除に切り替えます。なお、多発時は散布間隔を短くして、7日間隔で最低2~3回の防除を行います。

遮光資材の展張について

4月上旬から、直射日光による果実への傷みを軽減するため、防風ネットなどの遮光率2030%程度の遮光資材の展張を行います。

おわりに

暖候期には、果実の成熟が早く収穫も忙しくなりますが、いちごの生育に合わせてきめ細やかな管理を行い、収量・品質の向上を目指しましょう。

県央広域本部 宇城地域振興局 農業普及・振興課

 

いちごの暖候期の栽培管理について (PDFファイル)