1.本試験は農産園芸研究所内ハウス(合志市栄)で実施し、1区12株3反復としました。
2.各定植日に供試した苗の花芽分化日は表3のとおりです。花芽分化日は調査株5株がすべて肥厚後期以降となった日としました。
3.供試した苗の花芽分化期は、肥料の種類や施用時期、回数を変えることで調整しました。なお、9月15日定植は特異的に花芽分化を早めるため、2回目の置肥の代わりに8月中旬に液肥を施用しました。また、2018年に供試した苗は花芽分化後にも液肥を施用しました。
Experimental study
農業研究センター農産園芸研究所野菜研究室
本県で育成したイチゴ「ゆうべに」は早生性の品種で頂花房の花芽分化が早く、第1次腋花房(通称:第2花房)以降の花房についても連続出蕾性が高い特徴を持っています。このため、年内収量は多くなりますが、出荷時期が極端に早くなることによる果実品質の低下や、出蕾間隔が極度に短くなることにより着果負担が増大し、生育の停滞と厳寒期の収量低下の要因となることがあります。
そこで、収量確保や品質安定に向けて、①早期出荷の回避と果実肥大の充実、②年内の収量確保、③厳寒期(1~2月)の収量確保が可能となる中間地での定植時期について検討しました。
※中間地とは平坦地と準高冷地の間の温度条件であり、年間平均気温が概ね14~16℃の地域を指します(促成いちご「ゆうべに」土耕栽培管理指針(平成31年2月改訂版)参照)。
1.9月15日定植では、年内(特に12月)の可販果1果重が軽く、小玉傾向となりました(表1)。
2.定植日が遅くなるほど頂花房と第1次腋花房間の花房間葉数が少なくなり、出蕾間隔も短くなりました。
また、9月24日定植は収穫開始時期が遅く、12月となりました。(表2)。
3.9月15日定植では年内の可販果収量が少なく、9月24日定植では年内可販果収量及び総可販果収量が少ない結果となりました。
9月18日から21日定植では、年次による変動はありますが、年内可販果収量及び総可販果収量が安定し、厳寒期(1月~2月)の収量が確保できました(図1、図2)。
1.本試験は農産園芸研究所内ハウス(合志市栄)で実施し、1区12株3反復としました。
2.各定植日に供試した苗の花芽分化日は表3のとおりです。花芽分化日は調査株5株がすべて肥厚後期以降となった日としました。
3.供試した苗の花芽分化期は、肥料の種類や施用時期、回数を変えることで調整しました。なお、9月15日定植は特異的に花芽分化を早めるため、2回目の置肥の代わりに8月中旬に液肥を施用しました。また、2018年に供試した苗は花芽分化後にも液肥を施用しました。
4.育苗施肥、定植日以外の栽培管理(温度、本ぽ施肥量等)は同一条件としました。
5.花芽分化確認後から定植まで5日以上空く場合は、栽培管理指針に準じて苗に液肥を施用し、生育維持を図ってください。
6.第1次腋花房の花芽分化に影響すると考えられる定植後の気温については、2018年は最低気温、最高気温ともに平年より低く、冷涼な気温でした。2020年は、最高気温が平年に比べて高く、高温傾向でした(表4)。また、2020年は、10月から2月上旬にかけての日照時間が平年に比べて123%と多い傾向でした(データ省略)。
No.961(令和4年(2022年)6月)分類コード02-04
961_成果情報_農産園芸_イチゴ「ゆうべに」中間地定植時期(PDFファイル)
イチゴ「ゆうべに」における棚もち期間の品質が保持される保冷条件
イチゴ「ゆうべに」の頂花房と第1次腋花房の花房間葉数は4枚程度が収量が安定する
イチゴ「ゆうべに」は平坦地において9月21日を目安に定植する
イチゴ品種「ゆうべに」の1~2月における炭酸ガスの施用効果
イチゴ「ゆうべに」における各種LEDの電照効果
イチゴ育苗期に遮光資材として赤外線カット資材を利用すると年内生産力が向上する
(No.853(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)イチゴ「ゆうべに」の畝連続栽培は、2kg10a以下の基肥窒素量で収量・品質が安定する
(No. 716(令和元年(2019年)5月) 分類コード 02-04)病害虫防除のためのイチゴ蒸熱処理における生育・収量に影響しない処理時期と処理条件
(No. 712(平成30年5月) 分類コード02-04)イチゴ「ゆうべに」の本ぽ基肥窒素量は4kg-10a程度を基準とする
(No.767(平成29年5月)分類コード02-04)イチゴ「ゆうべに」には白黒マルチが適する
(No. 707(平成29年5月) 分類コード 02-04)準高冷地におけるイチゴ「ゆうべに」の鉢受け適期
(No.799(平成 29 年 5 月)分類コード 02-04)