カキ「太秋」における条紋由来の汚損発生は、マルチ資材の被覆により軽減される
農業研究センター果樹研究所落葉果樹研究室
研究のねらい
カキ「太秋」は、大玉で食味も優れていますが、品種特性として条紋が発生しやすく、条紋周辺の黒変による汚損が問題になっています。現在、汚損果軽減対策として果実の袋掛けを実施しているものの、汚損果の発生がいまだに見られています。そこで、袋掛けに加えて樹冠下へのマルチ資材(タイベックシートや白黒ポリ)の敷設による汚損果軽減効果を検討しましたので、その結果をご紹介します。
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研究の成果
1.被覆資材(タイベックシートや白黒ポリ)を敷設した区は、無処理区と比べ樹冠下日射量が多くなります(表1)。
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2.条紋由来の汚損果の発生程度(図1)は、棚栽培、立木栽培ともにマルチ区が無処理区に比べ低くなります(図2、3)。
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(2020年、2021年の平均値)
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(2020年、2021年の平均値)
3.マルチ資材被覆による果実の糖度・硬度への影響は見られません(表2)。
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成果活用面・留意点
1.マルチ資材の敷設は、2020年は【立木栽培】8月25日【棚栽培】9月8日、2021年は【立木栽培】8月26日【棚栽培】7月15日に実施しました。
2.2020年のマルチ資材はタイベックシート(ハードタイプ)、2021年のマルチ資材は白黒ポリを使用しました。
3.袋掛けは各年ともに梅雨明け後に実施しました。
4.枝が込み合い、樹冠下が暗い状態だとマルチの効果が小さくなる可能性があります。
No.1001(令和4年(2022 年)6月)分類コード 02-10
1001_カキ「太秋」における条紋由来の汚損発生は、マルチ資材の被覆により軽減される