搾乳ロボットによる頻回搾乳により、乳量が増加し、収入増加が見込まれる

畜産研究所大家畜研究室

1 研究のねらい

近年、労働負担軽減等を目的に搾乳ロボットを導入する生産者が増えており、当センターにおいても令和元年9月に搾乳ロボットを導入しました。しかし、搾乳ロボット導入による産乳及び繁殖成績の変化を調査した事例は少なく、生産性に及ぼす効果はあまり明らかになっておりません。
そこで、当センターの牛群検定成績をもとに、搾乳ロボット導入前後の産乳成績及び繁殖成績の変化を調査し、搾乳ロボットの導入が生産性に及ぼす効果について検証しましたので、その結果について紹介します。

写真 搾乳ロボット

2 成果

(1)導入前は、パーラーでの2回/日搾乳でしたが、導入後の平均搾乳回数は2.8回/日となりました。また、搾乳牛1頭あたりの乳量および標準乳量※1は、導入後に増加しました(表1)。一方で、乳脂肪率および乳タンパク質率は、乳量増加にともない減少しました(表1)。無脂固形分率および体細胞リニアスコア※2は、導入前後で有意な差はありませんでした(表1)。
※1:標準乳量:検定日乳量を基準日(北海道における4~6月分娩、2産目の分娩後 120 日目)と同じ条件で測定した乳量に変換したもので、検定日乳量の地域、季節、産次、分娩後日数の効果を補正した乳量。
※2:体細胞リニアスコア:体細胞数を対数変換したもの。

(2)繁殖成績を示す空胎日数は、導入後に短縮しました(表1)。

(3)導入前後の搾乳牛1頭あたりの生乳出荷にかかる収入を、乳量および乳成分を考慮し試算すると、導入後は搾乳牛1頭あたり91,726円/年の増収が見込まれました。

3 留意点

(1)導入後、搾乳ロボットに乳器形状が不適合等の理由で、約1割の搾乳牛を淘汰しました。
(2)飼料設計は日本飼養標準・乳牛に基づき導入前後とも同一水準で設計しました。

 

No.1024 (令和 5年(20 23年)6月)分類コード 08-13
搾乳ロボットによる頻回搾乳は、乳量が増加し、収入増加が見込まれる(PDFファイル)