褐毛和種種雄牛「第二光晴」の選抜
農業研究センター畜産研究所生産基礎技術研究室
研究のねらい
熊本県では、「あか牛」と呼ばれる褐毛(あかげ)和種の飼養頭数が全国の8割を占める主産地です。あか牛は、明治後期から改良が重ねられ、今のように大型で肉量・肉質に優れた牛として誕生しました。その性格はおとなしいため飼いやすく、放牧にも適しています。当研究所では、あか牛の生産性・品質向上を図るため、種雄牛の研究・選抜を続けています。
研究の成果
産肉能力直接検定で選抜された候補種雄牛の遺伝的能力を推定するため、産肉能力現場後代検定(産子の肥育・枝肉調査の結果により、父牛である候補種雄牛の能力を評価する検定)を実施し、その成績と育種価評価の結果をもとに、褐毛和種種雄牛「第二光晴」を選抜しました。


BMSNo.:8 ロース:91cm2
ばら:7.9cm 母の父:幸泉
※BMSNo.は脂肪交雑の程度を示す。
特徴は次のとおりです。
(1)血統

(2)現場後代検定成績及び育種価
◯枝肉重量 去勢の平均は533.8kg、雌の平均は502.7kgと優れており、育種価(BV)※は+48.41kg (評価種雄牛535頭中12位)と高いです(表1、2)。
◯ロース芯面積 去勢の平均は68.9cm2、雌の平均は63.6cm2と大きく(表1)、育種価(BV)も+14.84cm2 (評価種雄牛535頭中3位)と高いです(表1、2)。
※育種価(BV):産子の成績等をもとに、その後代が父牛の遺伝的影響でどれだけ改良されるかを予測した数値


※順位は評価種雄牛535頭中の順位

※各形質の育種価を同一スケール上で比較できるように処理したもの
※皮下脂肪は逆符号
成果活用面・留意点
枝肉重量、ロース芯面積、脂肪交雑の育種価が歴代上位であり、高い産肉能力により絶大な人気を誇った「光晴重」の後継として肉量と肉質の両面で改良への貢献が期待されます。
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