阿蘇地域の牧草地はドローンから撮影された画像により牧草の量を推定することが可能である

草地畜産研究所

1 研究のねらい

阿蘇地域は広大な草地を有しているため、草地全体の牧草の生育状況の把握は難しく、採草地では収穫遅れや雑草繁茂による牧草の品質低下、放牧地では放牧頭数や放牧期間の設定が難しいことが問題となっています。そこで、近赤改良カメラを搭載したドローンから撮影した画像を用いて、植物の活性度を示す植生指標データ(以下、NDVI)を算出し、牧草地の牧草の量を推定する式を明らかにしました。

2 成果

(1)1番草出穂以前(出穂前~出穂前期)、1番草出穂以降(出穂期~穂揃い期、開花期)、2番草、3番草の4区分に応じた乾物収量の推定式を得ることができました(表1)。

(2)3番草の乾物収量推定式の決定係数が高いことから、放牧地の乾物収量を推定し、周年放牧における備蓄草地の牧養力(放牧するための条件となる面積、頭数、放牧できる日数)を判断する指標としても活用できます(表2)。

3 留意点

(1)本研究の乾物収量推定式に適しているほ場の草種は、オーチャードグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスの三種混播(こんぱ)です。
(2)作業時間の目安は、ドローンの撮影に5~8分/ha、画像処理に7分/ha程度を要します。

 

No.1031(令和5年(2023年)6月)分類コード 13-11
ドローン空撮画像から得られた NDVI により牧草地の現存草量が推定可能である (PDFファイル)

飼料作