４月～６月の暑い時期に、トマトのへた周辺が赤色に着色しない黄変果の発生が問題となっています。産地では対策として遮光が導入されてはいますが、明確な遮光開始時期の基準がありませんでした。そこで、生育や収量等を確保しながら、黄変果低減に効果的な遮光開始時期を明らかにしましたのでご紹介します。
４月上旬からの遮光開始がトマト黄変果低減と可販果収量確保には有効
農産園芸研究所野菜研究室
１ 研究のねらい
２ 成果
（１）遮光により果実の温度上昇が抑制され、黄変果の発生リスクが高い33℃以上の高温に遭遇する時間は短縮します。
遮光開始を3月15日、4月1日、4月15日の3条件で比較すると、
（２）黄変果の発生量および発生率は、遮光開始が早いほど減少します（図１）。
（３）総収量は遮光開始が早いほど少なくなりますが、黄変果の規格外品を除いた可販果収量は4月1日遮光開始が多くなります（図１）。
（４）遮光開始時期の違いによって生育や糖度には明確な差はありません。
以上のことから、４月上旬からの遮光開始がトマト黄変果低減と可販果収量確保には有効です。
３ 留意点
この研究では遮光率約50%の遮光資材を使用し、各処理時期から内張で常時遮光しています。使用する遮光資材の遮光率によって黄変果低減程度や収量等に及ぼす影響が変わりますのでご注意ください。
No.745（令和５年（2023年）６月)分類コード 02－04
４月上旬からの遮光がトマト黄変果低減と可販果 収量確保に有効である
トマト・ミニトマト
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（No.798(平成 29 年 5 月)分類コード 02-04 ）