CTC緑茶製造工程における標準的な製造時間及び茶葉含水率

農業研究センター茶業研究所

研究のねらい

茶の消費形態が多様化し、消費者の簡便志向に対応した茶の生産が求められる中、紅茶製造用の製茶機を使用したCTC緑茶(CTC:Crush Tear Curl製法の略、図1)は、ティーバッグやドリンク茶の原料等としての活用が見込まれます。
しかし、CTC緑茶の製造ラインは全国的にも少なく、CTC緑茶の製造方法については未解明な部分が多いことから、CTC緑茶を安定的に製造できる標準的な製造方法を明らかにしましたので紹介します。

図1 CTC緑茶(左:CTC機による整形、中央:荒茶、右:浸出液)
注)浸出液は、CTC緑茶を55℃、100倍量の温水で30秒間浸出したもの

研究の成果

1.CTC緑茶の主要な製茶機であるローターベイン及びCTC機等を含むCTC緑茶製造ラインにおいて、荒茶の標準的な製造時間は約80分間であり、このうち殺青からCTCまでに約30分間、本乾燥に約50分間を要します(図2)。
2.CTC緑茶の標準的な製造方法として、茶葉含水率(D..)を粗乾燥終了時に約80%、風力選別で特に水分の多い茎を除き、ローターベイン投入前に約60%とすることで、CTC後の茶葉が顆粒状になり品質が優れます。一方、ローターベイン投入前の含水率が約30%以下の場合はCTC後に茶葉が破砕し、75%以上の場合は団塊状となり、製茶品質が劣ります。いずれも、本乾燥では約5%となるように調整します(図2)。

図2 CTC緑茶の標準的な製造時間、茶葉含水率及び製茶機の設定条件
注)茶葉含水率は投入前と取出後の数値の目安
図3 CTC緑茶製造における茶葉含水率の調整

成果活用面・留意点

1.CTC緑茶の標準製造法として活用してください。
2.各設定値は、K社製「新製茶ハイブリッドライン」を用いた製造試験で得られたものです。
3.本試験におけるCTC緑茶の製造に係る茶葉原料1kgあたりのA重油の消費量は、一番茶が0.37ℓ、二番茶が0.24ℓでした。また、プロパンガスの消費量は一番茶、二番茶ともに0.03㎥でした(データ省略)。

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