ペレニアルライグラス「夏ごしペレ」は耐暑性に優れる

農業研究センター草地畜産研究所

研究のねらい

阿蘇の高標高地域で栽培されている寒地型永年牧草について、新たな優良草種、品種の普及を図る目的で、収量性やその他の特性について調査し、優良品種を奨励品種として選定しています。今回、ペレニアルライグラスの新品種「夏ごしペレ(晩生)」について、県奨励品種である「フレンド(晩生)」を比較品種として、収量性やその他の特性を明らかにしましたので紹介します。

写真 2年目10月の「夏越しペレ」

研究の成果

1.「夏ごしペレ」の病害程度、虫害程度、草丈、秋の被度については、比較品種と同程度でした(表1)

2.「夏ごしペレ」の各年の乾物収量および3年間の合計乾物収量は、比較品種と同程度でした(図1、図2)。

図1 各年の乾物収量
図2 3年間合計乾物収量

3.「夏ごしペレ」の秋以降の乾物収量が、1年目および3年間合計で比較品種より有意に多収となったことから、耐暑性に優れる特性があると言えます(表2、図3)。

 

図3 越夏後(9月)の生育状況

成果活用面・留意点

1.阿蘇地域の草地において、比較品種と同様に他草種と混ぜて播種し、秋以降の収量増加技術として活用できます。
2.1番草の収穫適期は、5月下旬から6月上旬です。
3.2番草以降の刈取時期は、生育状況を見て適期を判断します。本試験では、2、3年目において、天候による生育不足により2番草の調査時期を遅らせたため、3番草は調査未実施の結果です。

 

No.984(令和4年(2022 年)6月)分類コード 01-11
984_ペレニアルライグラス「夏ごしペレ」は耐暑性に優れる (PDFファイル)

飼料作