こだわっとる農

温州みかん、中晩柑

熊本市北区植木町 『後世につなぐフルーツの宝の山』 を目指して!!

熊本市北区植木町 宮本 裕一さん

きっかけ

私の住んでいる熊本市北区植木町は、皆さんご存知のとおりスイカ、メロン等の施設園芸が盛んな地域ですが、温州みかんも昭和29年ごろから栽培されています。私は、農家の長男であったため、何のためらいもなく高校卒業後、昭和54年に就農しました。就農した当時は、スイカ、メロン、露地みかんを栽培していましたが、20年ほど前にすべて果樹栽培へ転換し、今では露地みかん500a、ハウスミカン9a、デコポン70a(露地20a、ハウス50a)、はるか30aの栽培を行っています。

吉次パイロット事業

私が果樹栽培を行っている吉次地区は、昭和42年より吉次開拓パイロット事業により、樹園地として開墾され、さらにかんがい設備を整備して、露地・ハウスの果樹栽培が行われるようになりました。また、平成10年には担い手育成畑地帯総合整備事業によって高畝への園地改造、農道整備、パイプラインの整備を行い、高品質果実生産が可能な園地へと改良しました。このように国・県・市の行政、農協、施工業者等の多くの関係者の支えにより、平成29年に吉次パイロット組合設立が50周年を迎え、9月には記念式典を執り行うことができました。私は現在、吉次パイロット組合の組合長に就任しています。組合内では共販・個人と様々な経営がありますが、組合員内でスピードスプレーヤーの共同運営や一斉防除等行っています。このように組合員全員で協力しながら、吉次パイロットを「後世につなぐフルーツの宝の山」にしていきたいと考えています。

みかんに込めた思い

美味しいみかんを作るため、土づくり、剪定作業、防除等すべての作業を『基本に忠実』に行っています。
他の生産者と同様にマルチ被覆やフィガロン散布を行い、みかんを樹上で完熟させているので木は弱ってきます。また、木を回復させるためにも一番大事なのは土作りです。このため牛糞ベースの堆肥を毎年少量欠かさず施肥しています。また、せん定は1本1本それぞれ樹勢を見ながら、かつ、ほ場内の樹勢のバラつきがないように行います。冬だけでなく夏の摘果等の別の作業中も新梢の出るたびにこまめにせん定します。毎日の観察が大事です。
私には自分が最高と思う樹の時期が4回あります。1回目は冬のせん定の後、2回目は花が落ちたころ新梢が緑化した頃、3回目は実が止まりジュース(果汁)が入り生殖成長に入り始めた頃、4回目はみかんの収穫前です。タバコを吸いながら樹に見入る最高の時間です。

箱詰めは手とクッションでみかんを受け止め、衝撃をおさえている。
店舗で小分けして販売されているが、店舗販売用のシールも入れて出荷している。

また、手をかけて作ったおいしいみかんを納得した方法で消費者までお届けしたい。そんな思いから生産だけでなく販売まで自分の手で行いたいと思い、H22年8月に地域の農家とともに株式会社味咲を設立しました。株式会社味咲の概念は、「(1)柑橘類を中心としたブランド作り、(2)農家の収益を踏まえた新しい流通経路の開拓、(3)農家に夢を与え、儲かる農家の見本となるプロ集団の育成」です。自分の商品に最後まで責任を持って販売するために、市場に頼らず、自分たちの商品に自分たちで値段を決め、取引先へ商品を販売しています。また、差別化を図るため、みかんの特徴を提示したり、統一したネーミングをつけブランド化を図ったりしています。その分クレームが出た際は大事な取引先の信用を失うというリスクもありますが、社員全員が厳しい選果を行い、自信作のみかんを出荷しています。収穫は1年に1度しかありませんが、お客様やバイヤーの顔がわかっているのでモチベーションが上がり365日頑張ることができます。私のみかんを待っている方のために良い商品を作ろうと日々栽培に励んでいます。
就農して40年近くたちますが、栽培上で疑問が出ると今でも近くの先輩たちに色々なことを教えてもらっています。

後継者育成への思い

産地を守るためには後継者育成が何よりも大事だと考えています。そのためには、後継者が残る産地づくりとして、若い人たちに夢のあるみかん経営を示さなければなりません。このため会社では月に1~2回勉強会を行うとともに、収穫期には1~2日間隔で役員が園地巡回を行い、集荷基準や防除の徹底に努めるなどきめ細かな指導によるみかん作りや納得いく販売方法に取り組んでいます。この結果、会社では現在、各生産者の後継者率100%を実現しています。
また、両親から引き継ぐ形で平成13年から、まず私が熊本県指導農業士となり農大生や農高生の研修生受け入れをしています。さらに平成23年からは夫婦で指導農業士となりました。我が家で体験した農作業や生活が、彼らが将来就農した際の何かの糧になればと思っています。

息子も後継者として共に頑張っている。
収穫期の倉庫は収穫したみかんで埋め尽くされる。

新たな挑戦

この土地で産地を守っていくためには、後継者を育てていくとともに、内陸地である吉次地区に合った品種へと更新していく必要があると思い検討を行っています。
また、みかんの販路を国内だけでなく海外も視野にいれたいと考えています。そのため、平成29年10月に会社としてASIAGAPを取得しました。今後はまず、2020年に行われる東京オリンピックに焦点を置き、更なる発展を目指していきたいと思います。

プロフィール

宮本裕一さん
●経営概要 温州みかん、中晩柑
●主な労働力 本人、妻、父、息子

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