八代市泉町(旧泉村)は中山間地域であり、生産されるお茶は「いずみ茶」として知られています。多くの農家が各自の茶園と工場を所有し、栽培から製造、販売までを一貫して行っています。そのため、工場ごとに味わいや香り、色などが異なった、特色ある茶が製造されています。また、農家がそれぞれ小売りを行っており、全国各地への通信販売等により販売を行っています。
こだわっとる農
茶
八代市 いずみ茶の味をたくさんの方へ
谷口 清和さん
はじめに
美味しいお茶づくりへのこだわり
お茶の泉園では、約40年前から毎年、全国茶品評会や県茶品評会の荒茶の部と茶園の部に出品をしています。肥料や堆肥、深耕といった土づくりから、摘採のタイミング、茶園ごとの葉に合わせた蒸し時間等の細かい調整など、美味しいお茶づくりに励んでいます。泉の茶園は平坦地と比べ勾配が大きく、茶園の一筆一筆が小さく不整形のため、乗用の機械を使うことが出来ません。そのため、可搬式の機械を使って、園の状態に合わせた細やかな栽培管理を心がけています。また、泉町や他の地域の茶農家とも栽培や製造方法を話すことも多く、自分の園に合った栽培方法を取り入れるなど、試行錯誤しながらより良い園づくりに努めています。
その結果、令和二年度の県茶品評会(荒茶の部・蒸し製玉緑茶部門)では一等一席をいただくことが出来ました。現在も品評会への出品を続けており、泉町や県内の茶農家と切磋琢磨しながら美味しいお茶づくりのための技術を高めています。
『お茶の泉園』での販売
祖父の代から代々お茶づくりを続けており、私の代で法人化しました。それを機に、栽培や製造、販売で働いてもらう従業員を雇用したり、店舗を構えて販売をしたりしています。現在はJR熊本駅内と、城彩苑の二店舗を経営しており、たくさんのお客様に泉園のお茶を味わっていただいています。また、イベントや「ふれあいセンターいずみ」でも販売しています。
情報の発信
最近では、HPやSNSを活用した情報の発信にも力を入れています。これまでお茶を購入していただく方は50代以上の方が多く、若い世代にもお茶を味わって欲しいという思いから、ブログ、InstagramやTwitterを活用した情報発信を続けています。今年の新芽や作業の様子など、お茶が作られる過程を消費者の方に届けています。また、一番茶の販売開始やイベントでの出店などの最新の情報を発信することもできるようになり、ネットでの情報を見た方が店舗を訪れてくださるようになりました。
今後の目標
今後、お茶の泉園では、これまでのお客様はもちろんのこと、海外から観光に来られるお客様へ向けた美味しいお茶づくりや販売をを行っていきます。国際クルーズ船の受け入れ拠点として完成したくまモンポートでは店舗販売に向けた準備が進んでおり、観光客の方へ泉茶を味わっていただく準備は万全です。
商品づくりにも力を入れており、最近では料理にも使える粉末茶(食べる緑茶、食べるほうじ茶)やティーパックが人気です。
これからもたくさんの方にお茶の泉園のいずみ茶を味わっていただけるよう、茶園づくりから販売まで、工夫を凝らしながら、お茶づくりに取り組んでいきます。