こだわっとる農

水稲・大豆など

阿蘇市 阿蘇のおいしいお米を届けます~自分に合った農業を目指して~

農事組合法人 水穂やまだ 代表理事 中西 洋介さん

はじめに

私の住む阿蘇市では、外輪山に囲まれた地域に位置します。その外輪山からは、田園風景や、季節によって変化する素晴らしい景色が一望できます。
阿蘇といえば数多く点在する豊富な湧水ですが、そのきれいな水を利用して、水稲を約45ha、大豆を6haほど生産しています。

「(農)水穂やまだ」の誕生

私は、阿蘇市の山田地区で、農事組合法人「水穂やまだ」として活動しています。以前は、「やまだYSN」として、3戸で共同作業を行ってきましたが、今後、農地集積が増えていくと思い、平成30年2月に法人を設立しました。
現在は、私と他2名で共同経営していますが、今後面積を拡大するため、従業員を雇い、経営をマネージメントする方針です。
また、作業負担の軽減や効率化を図るために、スマート農業を積極に活用し、農地の集積・集約にも取り組んでいます。

法人の設立総会

新技術導入への挑戦

法人設立をした同年9月に、ほ場管理の作業効率化を図るため、ほ場管理システムとしてKSASを導入しました。KSASを使えば電子機器でほ場の位置情報を確認でき、農薬散布を行ったかどうかを社員全員が確認できます。KSASを完璧に使いこなせていませんが、今まで、紙で確認していた情報や、入力作業をパソコンや携帯端末で管理できるので、仕事が効率よく進みます。
今後はトラクターやコンバインと連動させ、ほ場の場所、作業内容、収穫量等の情報をKSASに直接送るように設定したいと考えています。
また、令和元年産の水稲作付けから、ドローンを使った除草剤及び追肥の散布を開始しました。以前までは法人のほ場のほか、近くのほ場の散布作業も受けていたので、重労働になっていましたが、作業負担が軽くなり、作業日数の半分以下になりました。作業の効率化を感じています。
機械導入価格が高いので、損するのではないと不安もあります。しかし、何もしないで終わるより、新しいことを試したいという強い気持ちが私にはあります。新しい技術はとことん挑戦し、自分に合った農業のあり方を日々探しています。

KSASを使ったほ場管理
ドローンを使った液肥散布

高密度播種の導入

水稲46haのうち、約12haに高密度播種を導入しています。高密度播種とは、種籾の播種量を多くし、田植え時に使用する苗箱数を減らし、資材費や労力の削減ができる技術のことです。令和元年度から導入し、実際に10a当たりの箱数を16箱から9箱まで減らしました。社員が少ない私たちにとっては、作業負荷が大きく軽減され、これはためになると感じています。
今までの方法と比較して、収量や品質ともに遜色なかったことから、今後は高密度播種の面積を拡大したいと考えています。

部会長として

私は阿蘇地域の稲作部会の部会長を平成29年度から務めています。1期目を終えた後、法人として経営を開始したばかりでしたので、部会長を辞退しようと考えていたのですが、部会員の後押しや、支援もあり、2期目を続けることを決意しました。
稲作部会では、阿蘇地域の安心安全で、おいしいお米を消費者に届けるために、減農薬で栽培した特別栽培米をつくり、最高評価の「特A」を獲得する取り組みを行っています。普段とは違う栽培方法で行うため、栽培管理など難しい点も多いですが、令和元年産のコシヒカリで阿蘇地域初の特Aを獲得することができました。今後も継続して最高の評価を獲得し、阿蘇のおいしいお米を届けていきます。
また、企業が主催する農業体験のイベントに協力し、稲作部会長としてほ場の提供を行うなど、さまざまな取り組みを行っています。
稲作部会の会長のほか、熊本県の新しい品種である「くまさんの輝き」の阿蘇生産部会長も務めています。熊本県育成の新品種なので、ブランド化のためにも栽培に力を入れています。

農業体験参加者の集合写真

息子への期待

私には23歳の息子がおり、農業大学を卒業後、すぐに就農しました。農業を引き継ぐ若者が減少している中、私の元での就農は本当にうれしいことです。就農して間もないですが、農業機械の操縦などは主に息子に任せているため、私は法人の代表として経営に集中することができています。
今後、若い担い手が阿蘇地域の農地を守り、今までとは違う新しい農業を展開してほしいと願っています。

トラクター試運転の様子(操縦者:中西さんの息子)

今後の課題

ブロックローテーション
農地集積、集約関係

プロフィール

中西 洋介さん
○経営概要
水稲 45ha
大豆 6ha
その他 190a
○主な労働力
本人、妻、息子
構成員2

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