代表の持丸周二さんは就農後、様々な専門機関や専門家からミカン栽培について学ばれました。その中でも、宮崎県日南市の田中氏から学んだ「おいしさ、健康への配慮、作業の省力化」を実現できる栽培技術に感銘を受け、それを基にしたミカン作りに取り組まれています。そんな持丸園で行われているミカン作りの様々なこだわりの中から2つ紹介します。
1つ目は植栽方法です。ミカンは土壌内の水分を制限して、樹に水分ストレスを与えることで糖度が上がります。一般的には畝を立てて、畝の上部の平らな部分に植栽しますが、持丸園ではわざと畝の斜面に植栽します。そのことで排水の良い状態を作り出し、土壌が乾きやすくなります。加えて、樹の株間を1m間隔と、通常より狭くすることで樹同士の水分・養分の競合が起き、ストレスを生み出すことで果実の品実向上に繋がるとのことです。また、樹の列間は4m確保していることでSS※1等の機械の導入も可能となっています。このような植栽方法を実施していることで、人にも植物にも負担の少ないミカン作りを実現しています。
2つ目は自然由来の原料を用いた施肥の実施についてです。持丸園では、ワカメやタケノコといった資材を使用した自家製の液肥を施肥しています。樹の生育を見ながら、時期ごとに葉面散布等によって施用することで、原料に含まれるミネラルなどの有効成分がミカンの生育をサポートし、樹勢維持や品質向上に繋げています。
※1 SS(スピードスプレーヤ)は、果樹園など広い園地で農薬を散布する際に用いられる機械。