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Vitamin Table 〜第5回 なすのはなし〜

ジメジメと不快指数高い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
灼熱の太陽が降り注ぐ季節…夏野菜でスタミナアップしたい頃を迎えました。夏野菜の定番といえば、なす!今回は、どんな料理にも合う万能野菜「なす」についてお伝えしたいと思います。

トップクラスの生産地!

熊本には全国トップクラスの生産高を誇る野菜・果物が数多くありますが、今回ご紹介するなすも、そのひとつ。高知県に次いで全国2位(平成25年農林水産省)、9.35%のシェアを誇ります。

原産地はインド…中国からに日本へ

原産地はインドと推測され、紀元前には栽培されていた記録があり、日本へは8世紀頃に中国から渡来。正倉院文書(750年)に記載が残っています。育てやすいために日本各地に広がり、地域の特徴ある在来種があり、伝統野菜として根付いたものも数多く、国内には180以上の品種があるといわれています。
ここ、熊本でも赤なす、長なす、大長なす、筑陽、佐土原なす、ばってんなす等、冬春なす、夏秋なすが、品種リレーしながら年間を通して、県内各地で栽培されています。

「ヒゴムラサキ」って?

そんな多彩な品種のなかでも、熊本生まれの熊本だけで栽培されている品種があるのです。
その名は、「ヒゴムラサキ」…。
それぞれの生産者のもとで、種とりをしながら栽培が続けられてきた、熊本の伝統野菜「赤なす」が親品種。果皮が赤紫色で、肉質は柔らかく、根強い人気のこのなす、農家が個々に種とりしてきたため、果形や果皮色がばらついてきていました。そこで、熊本県農業研究センターが「保存系統」のなすをもとに品種改良を重ねて、平成13年に誕生したのがこの新品種、「ヒゴムラサキ」。メイドインくまもと、熊本だけで栽培されているものです。
今回は町の特産品として10数年前より導入し、県・町・JAと協力して取り組み、「ヒゴムラサキ」を高級なすとしてブランド化し、産地や販路の拡大、経営の安定化にも取り組むJA阿蘇南部なす部会の三森伸治さんご夫妻の圃場とJA阿蘇南部なす選果場を訪ねました。

インパクトのある大きさと艶やかな色…

ヒゴムラサキの特徴は、なんといっても、その大きさ!ハウスにお邪魔した途端、目に飛び込んできたのは普通のナスより長くて、ずんぐりと太い。長さは30cmにもなるほど…。
そして、ブランド名に由来でもある、艶やかな黒くて濃い紫色…。なんとも魅力的な色。
標高800~900mのこの高森町での栽培だからこそ出せる自慢の色だとおっしゃいます。標高と夜温と日照条件…、中山間地域だからこそ!研究センターがある合志市で栽培しても、ほかの地域で栽培しても、この色にはならん!ということは、ここ高森が栽培の適地ということですよね、と三森さん。

美味しさのために手間を惜しまない…

丁寧に育てたら、丁寧に育てた分、正直に応えてくれる作物だとおっしゃいます。
苗の定植は、毎年3月中旬から下旬にかけて行われ、1本1本丁寧に植えつけられます。
定植から約2ヶ月、35日から40日くらいで収穫の時を迎えます。じっくりと時間をかけて育つ分、糖度が増し、果形が安定して揃うのだそうです。お邪魔した際も、ご夫妻で阿吽の呼吸!1本1本丁寧にホルモン処理を施されていました。そして太陽にしっかり当たらないと、きれいに色づかないということで、収穫の時期には葉の剪定やきめ細やかな手入れが必要と語られる姿に愛情を感じました。

1本1本丁寧に拭き上げて出荷…

このように大切に育てられ、摘み取った実は、1本ずつ拭き上げ、大きさ、色、形、つやによって等級ごとに分類、箱詰めして選果場へと持ち込まれるのです。選果場では品質確認が行われ、秀品・優品・良品などの等級印を箱に押されていきます。

青リンゴのようにフルーティな味…

種もアクも少なく、生でも食べられサラダにもお薦めです!…と。もぎたてをいただき、一口かじってみると、その果肉は柔らかくてジューシー。青リンゴのようでもありフルーティで爽やかな味が口の中に広がりました。生でも良し!のヒゴムラサキですが、加熱するとトロリとする食感にかわります。この食感と甘さがたまらない、「1本焼き」は最高!と太鼓判でした。

なすは体のバランス調整役

なすの90%は水分ですが、カリウムが豊富なので夏の疲れを取ったり、体を冷やす効果も期待できます。果皮にはなす特有の「ナスニン」というアントシアニンの一種である抗酸化作用が期待できる成分が含まれ、疲れ目やドライアイ改善に良いと言われています。
生でも美味しいヒゴムラサキ、煮ても焼いても揚げても美味しい種々のなす。それぞれ特徴ある旬の味を堪能していただき、厳しい暑さの夏を乗り切りましょう。

ぱぱっと簡単レシピ

ヒゴムラサキのカポナータ

材料(4人分)
ヒゴムラサキ1本
ミニトマト15個
玉ねぎ中1/2個
にんにく1かけ
赤唐辛子1本
白ワインビネガー大さじ2
砂糖30g
塩小さじ1/2
オリーブオイル大さじ1
オリーブオイル(揚げ油)

作り方
1.ヒゴムラサキはおおきめの角切りに、玉ねぎは1cm大に切る。にんにくは包丁でつぶし、赤唐辛子は種をとっておく。
2.1のヒゴムラサキをオリーブオイルで揚げる。
3.厚手の鍋にオリーブオイルを入れて熱し、にんにくと赤唐辛子を入れて香りが出てきたら、玉ねぎを加え、しんなりするまで炒める。
4.2のヒゴムラサキとミニトマトを入れて炒め煮にし、白ワインビネガーと砂糖を加えて5~10分煮る。
5.塩・こしょうで味を調え器に盛る。
☆温かくても冷たくても美味しくいただけ、酢が入っているので夏の常備菜としておススメです。

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持田 成子Shigeko Mochida

野菜ソムリエ上級プロ
女子栄養大学生涯学習講師

女子栄養大学在学中に「野菜のビタミン分析」に携わったことがきっかけで野菜ソムリエ資格を取得。「旬の野菜果物びチカラはココロとカラダを元気にする」をテーマに食育やセミナー、レシピ開発など食の周りで活動中。

日本野菜ソムリエとは

日本野菜ソムリエ協会が認定する資格。野菜・果物の知識を活かし自らの生活に活かす「野菜ソムリエ」、野菜・果物の専門家「野菜ソムリエプロ」、専門家の最上位資格「野菜ソムリエ上級プロ」と、3段階の資格がある。

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