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Vitamin Table 〜第16回 ブルーベリーのおはなし〜

中山間地域から高冷地では、宝石のようにキラキラ輝く「ブルーベリー」がたわわに実る季節を迎えています。小さくて可愛らしいけれど、たくさんのパワーを持った「ブルーベリー」について紐解いてみたいと思います。

原産地はどこ?

原産地は北アメリカ。ツツジ科スノキ属の落葉低木の植物です。
原産地の北アメリカはじめ、ヨーロッパや日本など北半球では広く自生もしています。野生種が多い地域では、夏になるとブルーベリー摘みにいくのが風物詩になっているそうです。

品種は何種類?

品種が多く、200種以上にのぼるのですが、寒冷地に適する「ハイブッシュ」暖地向きの「ラビットアイ」寒冷地の荒れ地に自生する「ローブッシュ」の3種が代表的な品種です。

日本にきたのはいつ?

1951年に北海道農業試験場が初めて導入。その後、東京農工大学へ苗が渡って本格的に栽培法が研究されるようになったといわれています。1969年に東京都小平市に日本初のブルーベリー農園が誕生。そこから派生して全国で栽培されるようになったのは1976年頃からとか…。長野・茨城・群馬・東京など北関東で栽培が盛んですが、熊本県は県下全体の生産量が約58tという、西日本有数の産地です。

熊本県ではいつから?どこで?

阿蘇の外輪山の裾野、標高500~800mの高冷地にある山都町。その環境が原産地北アメリカと似ていることから1982年、旧蘇陽町(現山都町蘇陽地区)で「水田転作作物」として導入されたのが始まりです。
当時の九州でブルーベリーは珍しかったため、栽培技術を学ぶためにはアメリカやニュージーランドにも出かけたそうです。そこから持ち帰った約200本、ブルーベリーの栽培研究をしていた鹿児島大学から分けてもらった約20本、わずかな数からのスタートでしたが、導入から4年の1986年には出荷量1tの目標を達成しました。関係者の努力の賜物がうかがえるエピソードのひとつです。
その後、生産者や栽培面積が伸び悩んだ時期もあったそうですが『ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目に良い!』とテレビで紹介されたのがきっかけで、徐々に増加。今では、JA阿蘇蘇陽ブルーベリー部会は70戸に、栽培面積は15haにも拡大され、9月末まで約50tの出荷が行われています。

ブルーベリー生産の推移(山都町)(資料:熊本県果樹振興実績書)

ブルーベリーを使ったジャムやワイン、サワー、アイスなどが揃う「そよ風パーク」にお邪魔してきました。こちらにはブルーベリーの実をモチーフにした外観を持つ「ブルーベリー館」や収穫したブルーベリーを使ってジャムやパン作りができる体験施設もあるんですよ。

栄養豊富で機能性にも注目!

βカロテンビタミンC、鉄、マンガン、亜鉛などのミネラル類、ビタミンEも豊富で成長期に、アンチエイジングに効果的。皮ごと食べるので、食物繊維も多く摂取でき、腸もキレイに!青紫色の色素アントシアニンは、優れた抗酸化作用で注目されるポリフェノール系の成分。目の疲労を回復して視力低下を防ぐ作用があります。

鮮度の見分け方と保存方法

青紫色でハリがあるもの。
表面に白い粉(ブルーム)があるもの。
保存は密封容器に入れて冷蔵庫に。あまり日持ちしないので、粒のまま冷凍がおススメ。
ジャムやシロップ漬け、果実酒に加工してみると長く楽しめます。

食べ合わせのコツ

アントシアンニンは抗酸化作用があり、例えばたんぱく質と組み合わせると肌荒れ解消にチカラを発揮します。

目の健康に、美容効果に…と、特に女性にとっては価値が高い果物…ブルーベリー。摘みたての甘酸っぱさを感じに、この夏は是非、県内各地のブルーべリー園を訪ねてみませんか。

ぱぱっと簡単レシピ

ブルーベリーとヨーグルトのスムージー

<材料 1人分>
ブルーベリー 20
バナナ 1/3
ヨーグルト 100ml

<作り方>
ミキサーにすべての材料を入れてなめらかになるまで混ぜる。

豚肉のソテー ブルーベリーソース

<材料 2人分>
豚ロース肉 2枚
塩コショウ 少々
ブルーベリー 20粒
赤ワイン 大さじ1
バルサミコ酢 大さじ1
ブルーベリージャム 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
ベビーリーフ 適宜

 

<作り方>
⑴豚肉は軽く塩コショウをし、30分ほど室温におく。
⑵フライパンに薄くサラダ油を敷き、両面をカリッと焼く。
⑶⑵を取り出したフライパンにソースの材料を入れて弱火で煮詰める。
⑷トロットしてきたら火を止め、豚肉と共に器に盛りつける。

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持田 成子Shigeko Mochida

野菜ソムリエ上級プロ
女子栄養大学生涯学習講師

女子栄養大学在学中に「野菜のビタミン分析」に携わったことがきっかけで野菜ソムリエ資格を取得。「旬の野菜果物のチカラはココロとカラダを元気にする」をテーマに食育やセミナー、レシピ開発など食の周りで活動中。

野菜ソムリエとは

日本野菜ソムリエ協会が認定する資格。野菜・果物の知識を活かし自らの生活に活かす「野菜ソムリエ」、野菜・果物の専門家「野菜ソムリエプロ」、専門家の最上位資格「野菜ソムリエ上級プロ」と、3段階の資格がある。

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