「熊本TC01」の二番茶は「やぶきた」よりも高収量・高品質で遊離アミノ酸含量が多い
茶業研究所
1 研究のねらい
稼げる茶づくりに対応した「くまもと茶ブランド」の確立に向けて、県では初となる茶の新品種を育成しました。この県オリジナル茶品種「熊本TC01」(品種登録出願中)の早期普及を図るため、一番茶とともに農業経営において重要となる二番茶の品質などの特徴について明らかにしたので紹介します。
2 成果
(1)「熊本TC01」の二番茶について、摘採期は「やぶきた」と同時期であり、収量は「やぶきた」よりも2割以上多くなります。また、新芽の葉緑素値は「やぶきた」と比べて高く、葉色は濃緑で光沢があります(表1)。
(2)二番茶の荒茶について、品質は、外観、内質ともに「やぶきた」よりも優れており、特に香気と水色が優れます(表1)。また、荒茶中の主要な遊離アミノ酸含量が多く、特にテアニンは「やぶきた」の約2倍、グルタミン酸は「やぶきた」一番茶と同等以上となります(図1)。
3 留意点
(1)農業研究センター茶業研究所茶園(2006年定植、標高約100m、窒素施肥量56kg/10a/年)において、直近3カ年(定植15~17年目)で実施した無被覆栽培条件下での試験結果です。
No.1015(令和 年(2023 年)6月)分類コード 01-08
「熊本TC01」の二番茶は「やぶきた」よりも高収量・高品質で遊離アミノ酸含量が多い(PDFファイル)
特産
いぐさ乾燥作業の効率化には、サーモグラフィとルーバーの併用が効果的である
蒸し製緑茶製造ラインを活用した新たなCTC緑茶製造方法
低温嫌気処理によるγ―アミノ酪酸高含有てん茶の製造技術
除菌剤の拭取りは、畳表の色の変化や摩耗強度に影響を及ぼさない
黒ボク土壌茶園への春先の硫酸マグネシウム施用量は10㎏(MgO ㎏)/10aが適当である
いぐさ「涼風」の追肥を耕種基準より早く始めると、畳表の品質は低下する
CTC緑茶製造工程における標準的な製造時間及び茶葉含水率
乾燥機背板の可動式への改良で、無染土乾燥時のいぐさの湾曲を軽減
蒸し製緑茶製造ラインを用いた加工食品向け粉末茶原料の連続的な生産方法
簡易減圧染色装置を利用することで無染土「涼風」を天然染料で染色できる
(No.873(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 05-07)いぐさポット苗株分け時の新芽等への損傷は苗の生育にほとんど影響を及ぼさない
(No.874(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-07)尿素と牛糞ペレット堆肥を用いた緑茶ドリンク原料向け低コスト施肥体系
(No.859(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 03-08)畳表のカビの発生しやすさはいぐさ品種間で異なる
(No.831(平成 30 年 5 月)分類コード 05-07)「涼風」の畳表色調を保持しながら染土使用量を低減する泥染め技術
(No.830(平成 30 年 5 月)分類コード 05-07)熊本県におけるチャトゲコナジラミの侵入状況とシルベストリコバチの寄生状況
(No.777(平成 29 年 5 月)分類コード 04-08)被覆栽培における葉緑素計(SPAD-502)を用いた一番茶の摘採時期判別方法
(No.723(平成28年5月)分類コード02-08)いぐさの機能性を活用する産業素材用いぐさの栽培収穫体系
(No.788(平成 29 年 5 月)分類コード 02-07)空気噴射吸引式異物除去装置による茶の生葉に対する異物除去効果
(No.775(平成29年5月)分類コード06-08)アメダス気温データによるチャトゲコナジラミ成虫発生最盛日の予測
(No.776(平成 29 年 5 月)分類コード 04-08)イグサ品種「涼風」のDNA識別が容易になる識別マーカーの改良
(No.774(平成29年5月)分類コード12-07)冬期に低温となる地域における春整枝の適期は萌芽期の30〜20 日前である
(No.761(平成28年5月)分類コード02-08)いぐさ品種「涼風」の畳表製織時の適正加湿量
(No.745(平成28年5月)分類コード05-07)蒸し製玉緑茶における深蒸しに適した蒸し機の胴及び軸の回転数
(No.724(平成 28 年 5 月)分類コード 05-08)可搬式茶摘採機のいぐさ先刈り作業への応用
(No.746(平成28年5月)分類コード06-0)冬期に低温となる地域における秋予備整枝と春整枝の組み合せによる一番茶安定生産技術
(No.760(平成28年5月)分類コード02-08)