アリウム「丹頂」切り花を従来より長く(6週間)貯蔵しても商品性を維持できる技術

農産園芸研究所花き研究室

1 研究のねらい

熊本県特産花きのアリウム「丹頂」切り花は、出荷が4~5月に集中するため、労働力集中と単価下落が課題です。このため、貯蔵での出荷分散に取り組んできましたが、これまでの技術では1週間程度の貯蔵が限界でした。そこで、1カ月以上貯蔵できる技術を開発しましたのでご紹介します。

写真 アリウム「丹頂」

2 成果

500ppmジベレリン溶液を2℃の冷蔵庫内(暗黒下)で24時間吸水させた切り花を、引き続き2℃の冷蔵庫内で水に浸け直して貯蔵することで、アリウムの商品価値に影響する開花と茎の黄化が抑制され、6週間貯蔵してもその後の商品性を1週間以上維持します。
この技術により、アリウム「丹頂」の出荷期の分散と拡大、低温コンテナ輸送に活用できます。

図 貯蔵手順

3 留意点

(1)ジベレリン溶液の作成には住友ジベレリン協和液剤(GA3、 住友化学株式会社)を使用しました。薬品効果が低下しないよう、500ppmに調整したらすぐに使用してください。
(2)ジベレリン濃度500ppmでは、ジベレリン溶液に浸かる切り口部位はジベレリン溶液の色が付着します。
(3)茎の周りに葉がついた切り花では、8週間以上の貯蔵で葉のカビや吸水液の濁り、茎の黄化の発生が見られます。

No.746(令和5年(2023年)6月)分類コード 05-05
アリウム「丹頂」切り花を従来より長く(6週間)貯蔵しても商品性を維持できる技術

切り花