トルコギキョウRTF苗育苗では、定植直前まで週4回以上の液肥施用が優れる

農業研究センター農産園芸研究所花き研究室

研究のねらい

農業の新しい技術(No.650)で公表したトルコギキョウの計画出荷を可能とするRTF苗を活用した技術が普及しています。その中で、苗の充実不足等が生じており、苗の生育均一化と苗質向上が課題となっています。そこで、苗の生育に及ぼす液肥施用の影響を明らかにしました。

※RTF苗:抽だいしているが、未分化でかつ老化していない苗

写真1 RTF苗(左)と慣行苗(右)

研究の成果

1.液肥の施用終了時期について
定植直前まで液肥施用を続ける方が、本葉2.5対展開時に施用をやめるより、苗の生育が早くなります。(表1)。また、収穫時の切り花長も長くなります(表2)。

2.本葉2対展開以降の液肥施用の頻度について
定植時の苗質は、4回/週および6回/週が2回/週より優れます(表3)。
※2回/週以上の施用では、平均採花日と切り花品質の差は小さいです(表4)。

成果活用面・留意点

1.RTF苗の苗質向上のため、定植直前まで液肥施用を続けましょう(週4回以上)。なお、液肥施用は1,000倍希釈より高い濃度で根腐れ等の不具合を起こすことがありますので、1,000倍~2,000倍で施用しましょう。

2.今回の試験では、液肥はトミーブラック(N:P:K=10:4:6、(株)片岡コープアグリ)を、ジョウロで十分量施用しました。

3.試験1及び2の育苗条件
◯育苗容器:288穴セルトレイ
◯育苗培土:MKK花用セル培土((株)南九州化学)
◯吸水種子湿潤低温処理(種子冷蔵処理):10℃暗黒下で35日間。
◯ハウス:冷房育苗ハウス(設定 昼温28℃、夜温18℃)
◯育苗期間:(試験1)2018年6月28日~8月22日 (試験2)2019年7月9日~8月28日
◯遮光:遮光率40%程度の白寒冷紗2枚を育苗全期間被覆
◯かん水:上部かん水(ミストと手かん水を併用)

切り花