促成栽培における黄化葉巻病抵抗性トマト品種の特性
農業研究センター農産園芸研究所野菜研究室
研究のねらい
近年、黄化葉巻病抵抗性トマト品種の改良が進み、生産現場では栽培面積が拡大しています。また、トマト価格の低迷に対応するためには、収量および品質に優れる品種が求められています。そこで、最近の黄化葉巻病抵抗性トマト品種の特性について解明を行いましたので紹介します。
研究の成果
1.「かれん」は「桃太郎ホープ」と比べ秀品率が高く(図1)、春先の果実が硬いです(図3)。また、糖度は期間を通じ高く推移します(図4)。
2.「AMS-019」は「桃太郎ホープ」と比べ可販果数が多く収量性に優れます(表1)。一方で、果実肥大は劣ります(表1、図2)。
3.「麗妃」は「桃太郎ホープ」と比べ春先の果実が硬いです(図3)。一方で、茎長は長い傾向にあります(表1)。
4.本試験で供試した品種の主要な特性を一覧表に取りまとめました(表2)。
成果活用面・留意点
1.本試験は、2018年9月19日~翌年6月20日の促成作型および2019年8月21日~翌年6月25日の促成長期作型で実施しました。栽植密度は2222株/10a(株間50cm、畝幅180cmの2条植え)とし、着果数は最大4果に摘果しました。また、炭酸ガス施用は、11月下旬~3月下旬の期間、7時から16時まで設定値600ppmで施用しました。
2.過去の黄化葉巻病抵抗性トマト品種の特性は、農業研究成果情報No.771、772(平成29年5月公表)およびNo.851(令和元年5月公表)を参照して下さい。本試験の「はれぞら」の評価は過去の成果情報と同様の傾向でした。
3.黄化葉巻病抵抗性トマトの標準品種として、生産現場での普及率が高い「桃太郎ホープ」を選定しました。
トマト・ミニトマト
4月上旬からの遮光開始がトマト黄変果低減と可販果収量確保には有効
トマト黄変果が発生する果実温度および遭遇時間の解明
トマトの促成長期栽培における増枝後の適正本数と開始時期
冬春トマトの温度管理が生育および収量に及ぼす影響
夏秋トマトのセル苗直接定植栽培技術の改良
ICT養液土耕システムによるトマト促成長期栽培の増収技術
促成トマトにおける栽植様式と葉面積指数の関係
(No.850(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)促成トマトの小玉果および糖度低下の課題に対応する品種の特性
(No.851(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)炭酸ガス施用下の促成トマト栽培における養分吸収特性と増肥による収量への影響
(No.861(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 03-04)低温貯蔵時におけるトマトの着色とリコペン含有量の変化
(No.876(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)促成トマトの日吸水量と日積算日射量の関係
(No.852(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)トマトおよびミニトマトにおける生育調査項目の測定値間差と測定方法
(No.878(令和元年(2019 年)5 月)分類コード 02-04)夏秋トマトにおける赤外線カット資材の増収効果
(No.858(令和元年(2019年)5月)分類コード02-04)トマトは水分ストレス栽培により機能性成分含有量が高くなる
(No.834(平成 30 年 5 月)分類コード 02-04)熊本県のトマト栽培における群落内の光環境と光合成速度
(No.811(平成 30 年 5 月)分類コード 02-04)トマトおよびミニトマトの機能性成分含有量の変動と炭酸ガス施用の影響
(No.833(平成 30 年 5 月)分類コード 02-04)環境制御下でのトマトの日中加温は増収効果が高い
(No.832(平成 30 年 5 月)分類コード 02-04)平均気温がトマトの葉の展開速度に及ぼす影響
(No. 812(平成 30 年 5 月)分類コード 02-04)促成トマトにおける日射量及び炭酸ガス濃度と光合成速度の関係
(No.769(平成 29 年 5 月)分類コード 06-04)促成トマトにおける炭酸ガス施用量が果実肥大及び可販果収量に及ぼす影響
(No.770(平成 29 年 5 月)分類コード 06-04)夏秋トマトにおける早期定植による増収効果
(No.797(平成 29 年 5 月)分類コード 02-04)夏秋トマトのセル成型苗直接定植栽培における早植えによる収量確保
(No.798(平成 29 年 5 月)分類コード 02-04 )