こだわっとる農

加温デコポン、無加温デコポン、ハウスミカン

天草市 美味しいモノ作りに妥協なし

天草市 江崎 晃さん

生産へのこだわり

1.基本管理の徹底と観察力

果樹の安定生産を図るためには、まず基本管理を適期に適正に行うことが前提条件となってきます。特に、加温栽培の不知火類においては、温度条件や土壌水分状態により樹が敏感に反応し、果実品質を左右するので、植物の生理を熟知し、樹体反応をよく観察する必要があります。このため、私は樹毎にラベルを付け観察し、それぞれの樹の状態を見極めながら管理作業を調整しています。
また、JA本渡五和の施設デコポン部会では、毎年、摘果検討会を開催し、ほ場毎に摘果見本樹を作成しています。この見本樹を基準とし、各々が適正な着果管理を行うよう努めています。このように部会一体となって基本管理を徹底することが産地のレベルアップにつながると考えています。

現地検討会の様子

2.計画的な改植

果樹栽培では、植栽から数年間の未収益期間があるため、計画的に改植を進める必要があります。特に施設栽培では、ある程度樹齢が経過すると生産力(品質・収量)が低下することから、露地栽培よりも早めに改植を行い、収量・品質の維持に努めなければなりません。ちなみに私の園地では、改植を通常より早期に行い、生産量の維持を心掛けています(通常20年→13年)。
また、現在はデコポン合格率と作業性向上のため、わい性台木ヒリュウ台を活用した「肥の豊」への改植を始めました。

3.果実品質向上に向けた水分管理

不知火類の品質管理の難しさは、糖度上昇と減酸の両立にあります。水分を絞りすぎると糖度は上がるものの、酸度が下がりにくくなり、逆の場合は糖度低下、裂果やクリーシングを起こします。そのため樹体の水分吸収量を上手くコントロールすることが重要で、非常にデリケートな管理になります。
このため、定期的な果実分析(糖度の増加、酸度の減少を記録)の結果と土壌の乾燥具合、葉の萎れ具合を観察し、樹の状態に応じてかん水時期や量を見極めています。
また、今年度からは土壌水分目視計を設置し、土壌水分状態を「見える化」することで、更なる高品質果実生産のための適正水分管理の方法を試みています。

土壌水分目視計
収穫時期のデコポン

情報交換と実践

私は、日頃から県内外の交流ネットワークを活かして生育状況や生産対策について意見交換を行うと同時に、新しい技術・知識を取り入れるようにしています。実際学んだ新しい技術は、まずは試験的に行い、改良を加えながら我が園に合うか合わないか見極めています。
主な例を挙げると、不知火類に発生していた自根対策があります。これは、自根の発生によって樹勢が強くなり、着花不足・裂果の発生・果実品質の低下を招く起因となるものであり、経営上の大きな課題となっていました。そこで、ネットワークで得た技術を実践し、いち早く自根を取り除く対策に取り組んだところ果実品質の向上が明らかに見られました。
このように新しい技術を積極的に取り入れ実践することは、我が園だけでなく、地域全体の栽培技術の向上に繋がっていきます。

地域への貢献

私はこれまで、JA本渡五和柑橘部会本部役員を約20年間務めるとともに、県果樹育種研究会に長年所属し、県内各地域の果樹農家と交流を深めてきました。また、平成15年に実現した施設デコポンの団地化計画では、団地の造成から施設の導入まで携わり、9戸の生産者が参加する全国に例を見ないデコポン加温ハウス団地(八ツ山団地)を完成させました。
現在は、JA本渡五和施設デコポン部部長として、これまでの経験を活かし、栽培技術指導や生産者の意識啓発に努めています。さらに、部会員には消費者ニーズに対応した生産管理の大切さを理解してもらうため、市場関係者との情報交換を積極的に行うよう促しています。

八ツ山団地

今後の展望

長男の就農に伴い、今年から新たに1.4ha園地を増やしました。この増やした園地は、河内晩柑を植栽し、長男に管理を任せる計画です。
また、今後の取組みとしては、

①園内道設置等の基盤整備による管理作業の効率化
②農業機械の導入による防除作業の省力化と身体的負担軽減や常時雇用

を検討しています。
これからも学びの姿勢を忘れず、試行錯誤しながら果樹産地の将来のために自ら行動していきたいと思います。

プロフィール

江崎 晃さん
●経営概要
加温デコポン  :41a
無加温デコポン :10a
ハウスミカン  :14a
●主な労働力
(本人)晃さん(妻)佳子さん(子)将真さん

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ご紹介
農家数

現 在

89

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