【Sat】

Vitamin Table 〜第7回 夏秋トマトのおはなし〜

リコピン、ビタミンA、カリウム、食物繊維、鉄分…、グルタミン酸にアスパラギン酸…挙げるときりがないほど栄養たっぷりのトマト。品種も豊富で8000種を超えるともいわれています。
熊本県では、その優秀なトマトの栽培面積が1000ヘクタールを超え、出荷量も7000トンに達し名実ともに日本一のトマトの産地なのです。
今回は年間を通して栽培されるトマトのなかでも、「夏秋(かしゅう)トマト」について紐解いてみたいと思います。

原産地はどこ?

南米ペルーのアンデス高原。育てられたのはスペインやメキシコといわれ、日本に上陸したのは1718世紀のようですが、一般家庭で普及したのは1945年以降といわれています。

熊本にトマトがやってきたのは?

大正10年(1921)頃八代平野の有佐村(現八代市鏡町有佐)に半促成栽培といわれる技術が導入され、キュウリ、カボチャ、スイカなどともに栽培が盛んになっていったといわれています。

夏秋トマトの産地は?

標高が400メートルを超える準高冷地~高冷地に約130ヘクタールに及ぶ夏秋トマトの産地があります。平坦地の冬春トマトと合われんせ、年間を通して県内産のトマトを供給でき、しかも近年生産高で全国トップを走り続ける生産量を誇る、「くまもとの赤」を代表する品目です。
資料1によると山都町の年間出荷量は全国6位、阿蘇市は7位を誇ります。夏秋期の基幹野菜と位置付けられています。

資料1 平成25年夏秋トマト出荷量トップ10
出典:農林水産省平成25年度野菜出荷統計

夏秋トマトの一年

3月頃播種、5月頃定植。7月初旬から収穫開始され、霜が降りる11月下旬ごろまで収穫が続きます。

自然災害と共存する…

高森町 住吉さん

高冷地とは言え、この夏は阿蘇も同じ。高森町のジュニア野菜ソムリエの住吉さんを訪ねた日も35度近い日でした。ミニトマト中心のほ場には、中玉フルテイカ、ミニのキャロルクイーン、千果、アイコ、イエローアイコと、収穫時期をリレーしていくように雨よけ栽培のハウスが並んでいました。
寒暖差が大きく栽培適地であることはもちろん、大切にしていることは「地力」だと言い切ります。出荷グループのオリジナル堆肥に、2~3年ねかせた草原の野草堆肥を加える土づくりが美味しさの秘密…。火山灰被害、地震、豪雨、台風と自然との闘いは絶えずとも阿蘇のトマトの味は千年の草原との響き合いと確信しました。

おいしいトマトの選び方

ヘタが瑞々しい緑色でピンとしたハリがあるもの。

皮に色むらがなく、ハリと艶があるもの。

全体に丸みがあってずしりとした重みがあるもの。

・完熟のものはポリ袋に入れて冷蔵庫に。
青みがあるものは室温で赤く熟させて。

・トマトの栄養価
赤い色素成分でカロテンの1種のリコピンはトマト特有の成分でガン予防やアンチエイジングに。ミニトマトのビタミンCは大玉の約2倍、βカロテンは約1.8倍もあるのです。

「野菜の旬」について辻村卓先生(注1)から学び、美味しさと土壌の関係を科学的に考察し続ける吉田企世子先生(注2)からは『野菜は土を栄養として育つ』ということを教えられてきました。吉田先生の研究テーマは「野菜の成分とその変動~土壌環境からアプローチする」こと…今回伺った住吉さんの圃場でも「地力」がキーワードでした。これって野菜も人間も同じですね。
「人の体は食べたもので作られる=食は命なり」
全国に誇る生産量でありながら、熊本県民のトマト消費量はなんと、全国43位(2015年総務省家計調査よりのデータ)個数にすると県民一人当たり200gのトマトを年間で15.5個しか食べていないという数値なのです。ご存知でしたか?
食欲の秋、もっとたくさん食べて、年中採れたてのトマトを食せるという熊本県民の特権をご自身の「健康」に生かしてみませんか。
出典・参考:
資料1)農林水産省 平成25年野菜生産出荷統計
注1)女子栄養大学名誉教授・農学博士
注2)女子栄養大学名誉教授・農学博士

ぱぱっと簡単レシピ

ミニトマトのスイートマリネ

<材料>
ミニトマト 20
酢 大さじ1
オリーブオイル 大さじ3
砂糖 大さじ1~1 1/2
塩 ほんの少々
ホワイトペッパー 少々
バジルの葉 4~5枚

<作り方>
⑴トマトはすべて皮を湯むきにする。
⑵バジルの葉はあら刻みにする。ドレッシングをつくり、バジルの葉も加える。
⑶⑴のトマトに⑵をかけて、冷蔵庫30分~1時間ほど冷やし器に盛る。

<ワンポイントメモ>
カラフルや中玉などいろいろなトマトでつくるとよい。

このページをシェアする
  • Vitamin Table

Vitamin Table

持田 成子Shigeko Mochida

野菜ソムリエ上級プロ
女子栄養大学生涯学習講師

女子栄養大学在学中に「野菜のビタミン分析」に携わったことがきっかけで野菜ソムリエ資格を取得。「旬の野菜果物びチカラはココロとカラダを元気にする」をテーマに食育やセミナー、レシピ開発など食の周りで活動中。

野菜ソムリエとは

日本野菜ソムリエ協会が認定する資格。野菜・果物の知識を活かし自らの生活に活かす「野菜ソムリエ」、野菜・果物の専門家「野菜ソムリエプロ」、専門家の最上位資格「野菜ソムリエ上級プロ」と、3段階の資格がある。

カテゴリ

アーカイブ