令和8年産 カンキツ類の整枝・せん定のポイント

はじめに

令和7年産のミカンの収量・品質はどうでしたか?前年・前々年病害虫の発生はどうでしたか?摘果、収穫、マルチ敷、防除…作業性はどうでしたか?整枝・せん定はこれらの反省を次年度に向けて改善する作業の第一歩と考えて取り組んでみましょう。

縮伐・間伐

樹と樹の間を通る時に体を斜めにしなくてはいけない、防除や摘果・収穫の時、移動するのにイライラする、このような密植園は、品質・収量等みかんに対するデメリットだけではなく、人にとっても疲れやすくなったり、体に無理したり、丁寧な作業ができなかったりとデメリットしかありません。人が心も体も余裕で作業できる空間を目指して、まずは縮伐・間伐をしましょう。

写真 温州ミカンの間伐後の間隔の目安

整枝・せん定

(1)令和8年産の着花予想とせん定の考え方

令和8年産の着花は、極早生では中、早生温州・中生温州ではやや少、普通温州では少、不知火類では中~やや少と予想されています。そのため、せん定は、表1の基本的な考え方を基に実施します。
なお、早生温州~普通温州を中心に、園地や樹毎に着果のバラツキがみられることから、一樹毎に前年の着果量に応じたせん定を行うことを心がけてください。また、カイガラムシ等の発生が多くなっていることから、交錯枝が多く、枝が混み合った樹では、通風を良くし、樹冠内部まで太陽光が到達するような樹形作りに努めましょう。

 

(2)せん定方法

カンキツの基本的な樹形は3本主枝の開心自然形です(図1)。主枝を3本としてそれぞれの主枝に亜主枝を2~3本配置し、亜主枝に側枝を配置します。せん定を実施する前に樹を一回りして主枝・亜主枝の状態・樹勢・表裏年などを確認し、その樹のせん定方針を決定し、優先して切るべき枝を決めていきます。せん定すべき枝の種類及びせん定のポイントは図2、3のとおりです。

図1 カンキツの基本樹形(岸野功氏原図)
図2 せん定すべき枝
図3 整枝・せん定の手順・ポイント

①温州ミカンのせん定
連年安定生産を図るため、令和8年産に向けては着花確保を優先したせん定を行うことが重要です。樹ごとに、結果母枝の多少、樹勢の強弱、着葉状況などを十分に考慮し、適切にせん定を進めましょう。
花が少ないと見込まれる樹では、せん定時期を遅らせ、軽めにせん定とするとともに、果梗枝の整理(特に上向き果梗枝のせん徐)を行いましょう。
一方、前年の着果が少なく、着花量が十分に期待できる園では、通常どおりのせん定を行い、樹冠内の空間を確保しましょう。

②不知火類のせん定
不知火類のせん定は、間引きせん定を基本とし、混み枝をせん徐して樹冠内部の受光体制を改善することが重要です。弱小枝が多く見られる樹では、側枝の切り詰めを併用し、強めの新梢発生を促すせん定を行います。
「肥の豊」は、M-16a「不知火」と比べて樹勢が強いため、M-16a「不知火」の後にせん定します。せん定は、間引きせん定を中心とし、程度もより軽めとします。
また、日焼け果や裂果の発生が多い園では、樹勢を落ち着かせるため、せん定時期を遅らせ(着蕾(ちゃくらい)確認後)、軽めのせん定としましょう。

最後に

カンキツの高品質・連年安定生産を実現するためには、せん定だけでなく、土づくり、施肥、かん水、結実管理など、各作業を適期に適切に行うことが欠かせません。
令和8年産のカンキツ生産を良い形でスタートさせるためにも、まずは縮伐・間伐、整枝・せん定を通じて、より良い園地環境づくりを進めていきましょう。

県北広域本部 玉名地域振興局 農業普及・振興課

令和8年産カンキツ類の整枝・せん定のポイント (PDFファイル)